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2015/11/23

コラム:「抜けるマフ」- 中域をコントロールできるBig Muff 系ペダル19モデルまとめ


轟音や爆音という言葉で語られることの多いエレハモBig Muff。しかし基本的に中域がカットされたドンシャリサウンドなために、踏んだ瞬間にアンサンブルに埋もれて聴こえなくなることもしばしばです。

そこで本記事では近年増えつつある、中域をコントロールできる音抜け重視のマフ系ペダルをまとめました。執筆時点で販売中の19モデルをご紹介します。



まずは中域をスイッチでコントロールするタイプから。

米国Vick Audio は4種類のマフ系ペダルを販売中。画像は左からV1 Triangle、73 Ram's Head、Violet Ram's Head、Black Russian。ベースとなったヴィンテージマフは製品名の通りです。

いずれも中域をFlat、Scoop (カット)、Boost から選ぶミニスイッチを搭載。また直販価格が一律129ドルと、ハンドメイドメーカーとしては手頃なのも嬉しいところです。

公式サイト


Klon クローンのKlone で知られるニューヨークのARC Effects は、"Tall Font" ロシアンマフがベースのBig Green を販売中。

画像は現行のバージョン2で、バージョン1では筐体内にあった中域コントロールスイッチが表面に移動しています。スイッチはカット、フラット、ブーストの3種類。直販価格は米国外への送料込み200ドルです。

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Green Vodka (緑のウォッカ)というマフ系ペダルを販売しているのは米国McCaffrey Audio (旧称RJM Effects)。

Sovtek ロシアンマフをベースに、中域を標準とブーストから選ぶBEEF スイッチと、低域を2段階までブーストする3ウェイのPASS スイッチを搭載します。直販価格は179ドル。

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エフェクター自作キットのBYOC (Build Your Own Clone) から、仕様をトライアングルとラムズヘッドから選んで作れるLarge Beaver。

最上段のツマミは4段階のロータリースイッチで、中域のカット、フラット、ブーストとトーン回路のバイパスを選択可能です。

基本的には89.99ドルの組立キットでの販売ですが、独自に組み立てた完成品を販売している小売店もあります。ちなみに本記事のトップ画像は筆者が組み立てたLarge Beaver です。

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続いて中域をツマミでコントロールするタイプをご紹介。

米国Earthquaker Devices のHoof Fuzz II (画像左)は、ゲルマニウムとシリコンの2種類のトランジスタを備えるハイブリッドファズ。右上のShift ノブで中域をカット/ブーストできます。

シルバー筐体のCloven Hoof は、4つのトランジスタすべてをシリコンにしてハイゲイン化するとともに、ローエンドも強化した派生モデルです。

直販価格はHoof II が165ドル、Cloven が175ドル。なお日本の代理店はHoof II をラムズヘッドベースと言っていますが、公式サイトにはグリーンロシアンベースと書かれています。

公式サイト


製品デザインが頻繁に変わることでお馴染みの米国Mojo Hand Fx は、Civil War などのロシアンマフがベースのColossus を販売中。

Mids ノブに加えてEQ のヴォイシングを3種類から選べるトグルスイッチを備え、メーカーいわく「バカみたいにいじりまわせて、イカレてるほど多彩」。直販価格は199.95ドルです。

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海外のギターフォーラムでオススメのマフ系ビルダーを尋ねると、必ず挙がるのが米国のStomp Under Foot。J・マスキスが愛用のラムズヘッドのクローン作成を依頼したことでも知られます。

画像は左からCivil Unrest、Violet Menace、Red Menace。順にシビルウォー、ヴァイオレット・ラムズヘッド、レッドアーミーオーバードライブをベースにMids ノブを追加しています。直販価格はいずれも185ドル。

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低域を重視したサウンドでドゥーム/ストーナー系ギタリストに人気のBlack Arts Tone Works。DOD の重低音ディストーションペダルBoneshaker を共同開発したことでも知られます。

LSTR はFuzz、Tone、Volume に加えて中域をカット/ブーストするScoop コントロールを搭載。中域をカットしたオーソドックスなビッグマフサウンドから、プッシュした抜けのよいサウンドまで生み出します。直販価格は157.99ドル。

ちなみに同社のビルダーは大のSF ファン。LSTR という製品名も、会社名を略したBAT とつなげるとBATLSTR (Battestar) になることから、米国のSF テレビシリーズBattlestar Galactica (邦題:宇宙空母ギャラクティカ) から来ていると言われています。

また余談ですが、日本で2013年に開催されたリメイク版ギャラクティカの10周年記念イベントには、同シリーズの大ファンである庵野秀明、樋口真嗣、出渕裕という錚々たる顔ぶれが参加しています。

公式サイト


米国Basic Audio はラインナップの21製品中17製品がファズというメーカー。

画像は左がトライアングルとラムズヘッドを切り替え可能なTri / Ram。右が様々なマフの要素を取り込んだ「ハイブリッド」なALTER-DESTINY。

ともにMID ツマミで中域をコントロールできるほか、ALTER-DESTINY はローエンドを調節するFAT ノブと、ハイミッドをブーストするミニスイッチを備えます。

直販価格は両モデルともにアジア圏への送料込み230ドルです。

公式サイト


1台であらゆるマフサウンドをカバーしたい場合は、Blackout Effectors のMusket V2 とBlunderbuss は要チェックです。ロシアンマフをベースに多彩なコントロールを備え、幅広い音作りができます。

黒い筐体のMusket のコントロールは、下段がFuzz、Tone、Vol という基本の3種類。

上段は入力部に位置するクリーンブーストのPre、中域コントロールのMids、ファズ回路の前に位置する低域コントロールのFocus。Mids とFocus はブーストとカットが可能です。

ティール筐体のBlunderbass は、Musket の4つのシリコントランジスタのうち2つをゲルマニウムに変えたハイブリッドモデル。その他の仕様は同じです。直販価格はともに195ドル。

公式サイト


最後を締めくくるのは本家Electro-Harmonix のDeluxe Big Muff Pi。現行NYC マフを元に、ミッド/ベースブーストやノイズゲート、ファズに軽いオーバードライブを混ぜてエッジを強化するAttack などを追加し、サウンドを細かく作り込めることが特徴です。

開発に関わったビッグマフ研究家のKit Rae 氏いわく、トライアングル、ラムズヘッド、ロシアンなど、1台であらゆるマフサウンドを作り出せるとのこと。氏のホームページには各種マフを再現したセッティングも公開中です。

実勢価格は米国で120ドル。国内では1万5000円前後です。

公式サイト
Kit Rae - Deluxe Big Muff Settings

まとめは以上です。今回紹介したのは星の数ほどあるマフ系ペダルのほんの一部ですが、選ぶ際の参考になれば幸いです。

最後に各ペダルのデモ動画を貼っておきます。

































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