初代モデルの発売から40年以上にわたって愛され続けているファズ/ディストーションの名機Electro-Harmonix Big Muff Pi。
どの楽器店でも扱っている定番ペダルということもあり、その存在について深く考えることはありませんでしたが、あるときふと「ビッグなマフでパイって何だ?」という疑問が浮かんだので調べてみたところ、興味深いお話が見つかったのでご紹介します。
(エレハモ創業者のMike Matthews. Image from Facebook)
世界トップクラスのビッグマフ研究家Kit Rae 氏によると、まずBig Muff の前にMuff Fuzz という製品があり、その回路に手を加えるとともに大型の筐体に収めたものが、いわゆるTriangle Big Muff と呼ばれる最初のビッグマフとのことです。
またエレハモの創業者マイク・マシューズ氏いわく、マフ・ファズという名前の由来は「funky, soft, muffled sound」 (ファンキーかつソフトで鈍い音)だからで、ビッグ・マフという名前については「大きな筐体に入れたマフだから」と説明しています。
いずれも納得できる説明ですが、製品名のうち「Pi」については触れられていません。
そこでさらに調べてみたところ、主に英語圏の国で、ビッグマフという言葉が女性器を意味するスラングとして使われていることがわかりました。
では女性器説をふまえて、もう一度Big Muff Pi という言葉を細かく見てみましょう。
まず「Big」は、そのまま「大きな」という意味で良さそうです。
続いて「Muff」について調べると、主に英国で16世紀から20世紀初頭に使われていた、動物の毛皮でできた女性用のハンドウォーマーの名前であるとともに、女性器を意味する隠語としても使われていることがわかりました。
(Image from Wikipedia)
そして最後の「Pi」については、同じ発音のPie (アップルパイなどのパイ)が、女性器のスラングとして使われています。
つまりスラング的に解釈すると、ビッグ・マフ・パイは「巨大な女性器・女性器」という意味になります。
創業者であるマシューズ氏が「funky, soft, muffled」であると言っているため、公式には「デカい女性器」という解釈は間違いということになりますが、マシューズ氏のキャラクターやエレハモの社風を考えると、マOコ説の方が納得できるような気もします。
追記:どうやら確信犯だったようです。
Nano Big Muff Pi from Shermette! See what she did there? https://t.co/LPkFAU2udK http://t.co/GDvrOpOsD0 pic.twitter.com/XzMPBk5kre
— Electro-Harmonix (@EHX) 2015, 9月 25
なおエフェクターメーカーの中には、本家にちなんで(?)マフ系ペダルに女性器を連想させる名前をつけているところがあります。
いくつか紹介すると、まず米国のRonSound はHairPie (毛むくじゃらのパイ)というド直球な名前のマフ系ペダルを販売しています。
同じく米国Wren and Cuff のTri Pie '70 は、「三角形のパイ」という名前と、筐体に描かれた女性の下半身がBig Muff 系であることを示しています。
また各種クローンペダルの組み立てキットや完成品を販売するBYOC (Build Your Own Clone) は、Large Beaver というファズペダルを販売しています。
Beaver は女性器を意味するスラングでもあるので、これもBig Muff の意味を汲んで名付けていることが分かります。
ひとひねりしているのがWay Huge のSwollen Pickle。直訳すると「ふくらんだピクルス」となり、Big Muff がマOコなら、こっちはピクルス=キュウリでチOコだ、といったところでしょうか。
このように一見無意味そうな名前でも、調べると元ネタが存在することがあるので、手持ちのペダルの名前を調べてみると新しい発見があるかもしれません。
ソース: Kit Rae - THE BIG MUFF PAGE
サウンドハウス - エレクトロ・ハーモニックス一覧
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