ここ日本でもじわじわと人気が高まりつつある米国のファンクバンドVulfpeck。
そのベーシストJoe Dart は、グルーヴとテクニックを兼ね備えた新世代のベースヒーローとして、世界的に注目を集めています。
そんなジョーの主な使用機材について調べてみました。参考になれば幸いです。
ベースその1:Ernie Ball / Music Man Joe Dart Sterling
ジョー初のシグネチャーモデルとなったミュージックマン製のベース。ミュージックマンといえば独自のアクティブ回路による多彩な音作りが売りですが、こちらはパッシブかつ1ピックアップ & 1ボリュームというミニマルさが目を引きます。
このベースをデザインするにあたって参考にしたのが、ジョーが長きに渡り愛用しているメキシコ製のフェンダージャズベースと、中古で100ドルのスティングレイのコピー品。(ともに後述)
その2本の要素を組み合わせて完成したのが、このシグネチャーモデルです。Vulfpeck 公式サイトで販売され、限定50本が即完売しました。
主な仕様はSterling シェイプのアッシュボディ、フレイムメイプルネック & 指板(11インチR)、ステンレスフレット、パッシブ回路。
ピックアップはこのベース専用に開発された特別品を搭載。マグネットはセラミックで、ケース内には並列に結線された2つのコイルを備えます。コントロールはボリュームのみ。ポットの抵抗値は100K です。
出荷時の弦はアーニーボール製のフラットワウンドで、ゲージは45-65-85-105。こちらも市販されていないセットです。
ベースその2:Fender Mexico Jazz Bass
ジョーが12歳の頃に手に入れたメキシコ製ジャズベ。ミュージックマンのシグネチャーモデルを入手するまで、ベースはこれ1本しか持っていなかったとのこと。ほかのベースはすべて借り物です。
特徴としてはブリッジをBadass II に、ピックアップをダンカンのAntiquity II "Jive" Set に交換しています。弦は使い込んだロトサウンドのSwing 66 ラウンドワウンド。
ベースその3:Carlo Robelli SWD Bass
前述の中古で100ドルのベースがこちら。実際に買ったのはヴルフペックの首謀者ジャック・ストラットンで、ジョーは彼から借りて使っています。
Carlo Robelli は米国の楽器店Musician's Friend のオリジナルブランド。初心者向けの安価なギターやベースを販売しています。日本で例えるなら島村楽器におけるBusker's のような存在です。
このSWD Bass は本来アクティブベースですが、壊れていたので回路を取っ払ってパッシブ化。
そしてThomastik のフラットワウンド弦を張り、It Gets Funkier やDisco Ulysses などで使っています。
ジョーいわく、自分史上最高にファンキーなサウンドがゲットできたとのことです。
ベースその4:Squier Classic Vibe Precision Bass 60's
海外では「アメスタ・キラー」などと呼ばれて評価の高い、スクワイアのクラシックヴァイブシリーズのプレベ。こちらもジャックの所有物です。
Labella のフラット弦を張り、ブリッジにミュート用のスポンジを挟んでいる以外はストックのまま。The Cup Stacker などで使っています。
アンプ & スピーカー:Markbass Little Mark Tube & Standard 104HR
アンプについてはイタリアのMarkbass とエンドースメント契約を結んでいます。
使用機材はヘッドがLittle Mark Tube、スピーカーキャビネットがStandard 104HR。
前者は真空管プリアンプとクラスD パワーアンプを組み合わせた、小型軽量なベースアンプヘッド。
後者は4個の10インチスピーカーと1個のツイーターを備えるキャビネットです。
マークベース公式サイトに掲載されているジョーのコメントは以下の通り。
「以前はツアーでアンプをレンタルするとき、特にメーカーとかを指定することはなかったんだ。だからいろいろなアンプを試すことができた。
そしてあるとき、マークベースのアンプを借りたときはいつも、ライブが終わってステージを降りるときに、本当に素晴らしいショーができたと思えていることに気づいたんだ。
クリアでパンチがあり、温かみもあるマークベースのアンプは、僕の演奏をより良いものにしてくれる。
もう今はマークベースのアンプしか弾いてないよ。他のどのアンプよりも「自分らしさ」を出せるんだ。
言葉で説明するのは本当に難しいんだけど、このアンプは僕の手やベース、プレイをそのまま鳴らしてくれる。
過剰な色付けや加工はせず、ディープでパンチがあり、暖かさと明瞭さを備えたサウンドで、僕のプレイを観客に届けてくれるんだ。
本当に最高のフィーリングだよ。マークベースの人々に心からの感謝を伝えたい」
エフェクター:Vulf Compressor
ジョーは基本的にアンプ直でエフェクターのたぐいは使用していませんが、レコーディングではVulf Compressor というソフトウェアのコンプレッサーが使われています。
Vulf Compressor は米Goodhertz とジャック・ストラットンが共同開発したWindows / Mac 対応のプラグイン。
開発のきっかけとなったのは、ジャックがBOSS SP-303 サンプラーに搭載されているVinyl Sim というコンプレッサーのサウンドに取り憑かれ、それをプラグイン化できないか?と思ったこと。
そのアイデアにGoodhertz が興味を持ってコラボが始まり、結果として生まれたのがVulf Compressor です。
その効果を一言で言うなら「ローファイ」。クリアでモダンな音源も、これを通せば暖かくも懐かしい、まさにアナログレコードのような質感に様変わりします。
ジョーのベースのみならず、ヴルフペック全体のサウンドを特徴づけている、重要なエフェクトです。
といったところで機材紹介は終了となります。ジョーのサウンドを目指すなら、とりあえずパッシブのジャズベとヴィンテージ系のアンプがあれば良さげです。
エフェクターはゼロで特別な機材も不要なので、とにもかくにも練習あるのみといったところでしょうか。がんばりませう。
参考リンク
Reddit - Hi, I'm Joe Dart, bassist in Vulfpeck. Ask me anything!
Reddit - Hi, I'm Joe Dart! Ask me anything... Bass Release Day Edition!
Joe Dart - Twitter / Instagram / Facebook
Vulfpeck - Official Site / Twitter / Instagram / Facebook
Music Man - Joe Dart Signature Bass
Markbass - Joe Dart
パール楽器 - Markbass
Goodhertz - Vulf Compressor
サウンドハウス - Markbass 一覧
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joe dartにあこがれてベースを始めようかと思っていたので助かりました!ありがとうございます。ところで「1612」のMVでjoe dart が使っているベースはどこのベースかわかりますか?見た限りMusic Manのスティングレイっぽいですけどよくわからなくて
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