モデリングアンプ全盛の昨今ですが、「やっぱりアンプは真空管とアナログ部品じゃなきゃ」という方に耳寄りな情報があります。
トップ画像を見てピンと来た方も居そうですが、どうやらあのMTS モジュールの復活計画が進んでいるようです。
MTS (Modular Tube System) を知らない方向けにざっくり説明すると、米国Egnater Amps の創業者ブルース・イグネーター氏が2000年代前半に考案した、交換可能なモジュラー型プリアンプ規格のこと。
Fender やMarshall、Bogner などを模したアナログの真空管プリアンプを自由に組み合わせて、理想のアンプを作れることが売りでした。
当時ブルース氏がRandall の技術顧問をしていたことから、最初の製品はRandall から発売され、その後Egnater からも対応製品が発売されています。
MTS 製品は2012年頃に生産終了していますが、海外にはそのコンセプトに魅せられた人々が集まるコミュニティがあるほか、オリジナルのMTS モジュールを開発しているメーカーも存在します。
(Image from Salvation mods)
そんな歴史を持つMTS は、今回の復活にあたり名前をSynergy Amps と改めます。名前の由来について公式な説明はありませんが、著名なアンプメーカーが参加することでシナジー=相乗効果を生む、といった意味があるかもしれません。
というのもMTS はFender やMarshall サウンドをうたってはいましたが、モジュール自体はランドールおよびイグネーターが開発していたため、「~風」の域を出るものではありませんでした。
それが今回のSynergy では、Egnater をはじめFriedman、Soldano、Morgan といったメーカーが正式に参加する点が大きく異なります。
またチューブアンプの肝といえるパワーアンプはFryette (旧称VHT) が開発予定。Friedman + Soldano + Fryette という組み合わせも可能になりそうです。
Synergy Amps の製品は今年のNAMM Show やLA Amp Show で展示されていたほか、来年のNAMM Show にも出展予定。今後の展開が気になる方は、本記事下部のSynergy 公式Twitter やFacebook をフォローすることをおすすめします。
なおSynergy に名を連ねるメーカーの多くが、米国のBoutique Amps Distribution という組織に所属しています。
組織の目的は、所属するメーカーが協力して経営の効率化を計ること。またドイツDiezel Amps の米国代理店も務めているほか、Bogner はエフェクターの製造についてのみ参加しているようです。
10月13日追記:Synergy モジュールは、アンプのエフェクトループにつないで追加チャンネルとしても使用可能。愛用のアンプに本物のフリードマンやソルダーノのドライブチャンネルを追加する、といったこともできそうです。
2016年1月4日追記:プロトタイプの画像が公開されました。1月21日からのWinter NAMM Show で正式発表予定とのことです。
参考: Synergy Amps - Twitter / Facebbok
Boutique Amps Distribution
MTS Forum
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