1970年代の誕生以来、その高いチューニングの安定性で多くのギタリストに愛され続けているフロイドローズブリッジ。
しかし多くの愛用者がいる一方で、弦交換やチューニングに慣れが必要なことから敬遠する人もまた多く存在します。
フロイドでさえなければ買っていたギターが過去に何本もあるという人や、フロイドつきギターを買ったものの持て余しているという人は多いのではないでしょうか。
そんな悲しみを背負った非フロイド派の福音になりそうなのが、今回採り上げるSchaller Vintage Tremolo です。
シャーラーはドイツに本社を置くギター・ベース用ハードウェアメーカー。Floyd Rose のOriginal およびPro シリーズを製造していることでも知られます。
そのシャーラーが数年前から販売しているヴィンテージ・トレモロは、非ロック式のトレモロブリッジながら、スタッド幅が一般的なフロイドローズと同じなので、フロイド搭載ギターに無加工で載せられることが大きな特徴です。
またトレモロブロックの高さもフロイドと同様に32mm/37mm/42mm の3種類を用意。
さらに標準でローラーサドルを採用し、アーミング時のチューニングのズレを低減します。
カラーバリエーションはニッケル、クローム、ブラック、ゴールド、ヴィンテージ・カッパーなど全9種類。ベースプレートの素材は焼入鋼。レフティ用もあります。
Schaller Vintage Tremolo の定価はカラーによって異なり、最も安価なニッケルで103.31ユーロ。執筆時点で国内ではアマゾンの1万3000円台が最安のようです。
FRT と載せ替える際の注意点としては、アームアップできるようにボディがザグられている場合、交換後のブリッジの後ろに大きなスペースが空くことになります。
またピックガード付きのギターの場合は、Schaller ロゴの刻まれている部分が干渉する可能性があります。
この2点については本記事内の動画で実際の様子が確認できます。
そしてもう一つ、ロックナットをどうするかという問題もあります。ベースプレートのみでも使えなくはありませんが、見た目的には埋め木などをして一般的なナットを付けたいところです。
なお数年前まではAllParts が、エバノール・ナットというロックナット互換の非ロック式ナットを販売していましたが、残念ながら生産を終了しています。参考動画のCharvel が付けているのがそれです。
このように交換後も細かい部分に手を加える必要はありますが、基本的にはポン付けするだけで、ロック式ギターを「アンロック」できるという手軽さは大きな魅力です。
ソース: Schaller - Vintage Tremolo Series
参考: Bill Palmer Music - De-Floyding (シャーベル動画の投稿者による解説)
キョーリツコーポレーション - Schaller
i-Wave Music - Schaller
サウンドハウス - SCHALLER VT1-C
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