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2018/05/12

ヤマハのアンペグ買収に対する海外の反応:「輝かしい未来しか見えない」「Yampeg になるの?」「ギブソンも頼む」


世界中のベーシストを驚かせた、ヤマハによるアンペグの買収。世界最大級のベースフォーラムTalkbass.com でもスレッドが建ち、多くのコメントが集まっています。

本記事では、そのスレッドの一部を抄訳・編集してご紹介します。




1:どうやらTransom Capital がAmpeg ブランドをヤマハに売ったみたいだね。

2:輝かしい未来しか見えない。ヤマハは正しいやり方を知ってる。あらゆる製品が最高だよ。

3:何年(何十年?)もの間、アンペグの評判を地に落とすようなことをしていたLOUD が、ついに手放したというわけか。

少し時間はかかるかもしれないが、またアンペグを買うようになるかも。

4:ヤマハは(コルグやローランドやアイバニーズと同じく)、楽器やミュージシャンにおいては「外さない」会社だよね。めっちゃ嬉しい。

5:Line 6 Helix + Ampeg + Yamaha...俺達ベーシストにとって楽しみな組み合わせだよね。

6:Ampaha or Yamapeg?

7:↑Yampeg!

8:↑これや!

9:いいニュースだね!俺はベリンガーに買われて中国製の超低品質な製品を売り出すと思ってた。でもヤマハなら希望が持てる。

10:いいね。MIJ のSVT とかクールだよな。夢ぐらい見てもいいよね?

(訳注:MIJ = Made In Japan = 日本製)

11:↑考えたこともなかったな。俺は日本製のフェンダーをメインに使ってるんだけど、日本製SVT との組み合わせとか死ぬほど良さそう。

13(Bass Gear Magazine 編集長):間違いなくいいニュースだね。ヤマハは素晴らしい製品を作ってる。

14:長いことアンペグを愛用してたけど、ここ20年ぐらいの製品はゴミだった。今回のはいい動きだね。

15:神よ、買ったのがフェンダーじゃないことに感謝します!

(訳注:フェンダーはSWR やSUNN といったメーカーを買収して放置している「前科」があります)

16:個人的にヤマハとアンペグの両方にとって良いことだと思う。

ヤマハが常に高品質な製品を製造し、人々が本当に興味を持つものを生み出し、顧客を大切にしてきたことに疑いの余地はない。これらすべてがアンペグの利益になる。

うまくいくことを祈ろう。ベースアンプ業界がちょっとエキサイティングになりそうだね!

17:ヤマハの流通網は世界的に整備されてる。アンペグの助けになるだろうね。

18:最高のニュースだね。俺はドラマーなんだけど、ヤマハの製造品質とQC を最高にリスペクトしてる。

ヤマハは低価格帯の製品にも、ハイエンド製品と同じQC を適用している数少ない会社だよ。

壊れない上に、最高の音質も保ち続けるというヤマハ製品の能力(エントリーレベルのドラムハードウェアでも!)は、驚異的としか言いようがない。

(訳注:QC = Quality Control = 品質管理)

19(Ampeg & EMG と契約しているプロベーシスト):このニュースを聞いた瞬間、頭が爆発したよ。

だからこの先何が起きるのか考えられないんだけど、とにかくこれまでアンペグを所有してきたLOUD 社の人たちにリスペクトを伝えたい。

彼らと付き合う中で、多くの友人ができたことを嬉しく思ってるし、ヤマハの素晴らしい歴史もリスペクトしてる。

そして両方の会社と従業員の未来が素晴らしいものになることを祈るよ。



20:ビリー・シーンがアンペグに帰ってくる...?

21:↑興味深い。実に興味深い。

22:↑ビクター・ウッテンもね。

23:↑買収の黒幕はビリー・シーンに違いない!

(訳注:ビリーは長らくアンペグの契約アーティストでしたが、2011年にハートキーへ移籍しています。ビリーとエンドースしているヤマハがアンペグを買収したことで、ふたたびアンペグに戻ってくるかも?という話です)

24:次回予告「ヤマハ、ギブソンを買収」

25:↑ぜひお願いしたいところだけど、それぞれ独自路線を歩むと思う。

26:ヤマハは1970年代から80年代のアンプ業界で大きな存在だった。俺は1970年代前半に、Yamaha 115というタイヤが付いた100W のコンボアンプを愛用してたんだ。

デカくて重い?イエス。しっかりした作りとグレートなサウンド?イエス。それに彼らのギターアンプはジャズギタリストに大人気だった。



27(シックスペンス・ノン・ザ・リッチャーのベーシスト):ここ10年ぐらいの間、アンペグは良くなりつつあった。素晴らしい新製品とか名機の復刻とかね。

個人的に彼らのサポートやアーティスト部門と関わりはないけど、耳に入ってくるのは良い話ばかりだったよ。(僕はアンペグの「ファンボーイ」じゃないからね!2000年代初頭に借りたアンペグの機材は酷いもんだった...)

もちろんヤマハが1960年代から、あらゆる価格帯で先頭に立ってたのはよく知ってる。

彼らのアーティスト部門は素晴らしいし、サービス部門の悪い話も聞いたことがない。というかヤマハ製品が壊れたという話を聞かないね。

ヤマハはミュージシャンを第一に考える、本物の楽器・音響機器メーカーだよ。投資ファンドの傘下よりも良くなるのは間違いない!

(訳注:アンペグを所有していたLOUD 社は、2017年10月にTransom Capital という米国の投資ファンドに買収されています。企業を転売して利益を出すことが目的の投資ファンドの傘下に入ったことで、ヤマハにアンペグ買収のチャンスが生まれたのかもしれません。ちなみにTransom 社は、過去にBlue Microphones やSummit Audio なども所有していました)

28:↑ギブソンとは正反対だね

29:ネイザン・イーストもアンペグに戻ってこないかなあ

30:↑もしアンペグがヤマハと協力して、高い信頼性と広大なヘッドルームを持ち、キレイなクリーンが鳴るクラスD アンプを作れば、ネイトは使うと思うよ。たぶん俺もね!

31:基本的にこの手の買収話には不安しか感じないんだけど、今回に限ってはA+++ だね。

32:TB なのにポジティブなコメントしか無いなんてマジかよ!来る場所を間違えた?なんかトワイライト・ゾーンの話みたいなんだけど...

(訳注:トワイライト・ゾーンは米国のSF テレビドラマシリーズ。「世にも奇妙な物語」に多大な影響を与えた作品と言えば、コメントの意味が伝わるでしょうか)

33:ヤマハはアンペグにとって必要最小限の変化しか与えないと思うよ。

ヤマハのエントリークラスのベースが搭載している、プレベスタイルのピックアップは30年近く変わってない。なぜなら必要ないからね。

34:俺は1994年から、セントルイスの工場が閉鎖された2003年までアンペグで働いてた。

LOUD に買収されたのはその直後だった。個人的に彼らのやり方は好きじゃなかったね。

俺の家の倉庫は、あそこで働いていた頃に手に入れたAmpeg やCrate の製品であふれてる。

彼らは従業員にプロトタイプやサンプル製品、それに「余り物」とかを気前よくくれたんだ。

「こいつを『フィールドテスト』に連れて行ってくれないか?ただし絶対に持ち帰るなよ?」ってな具合にさ。

ウチの倉庫のブツの大半は、ケースの内側とかに「サンプル」と書かれてるし、俺のSVT-610HLF はオリジナルのプロトタイプなんだ。

率直に言って、人生でいちばん楽しい仕事だったね。当時の同僚とは今でもしょっちゅう会ってるよ。家族みたいなもんさ。

個人的に今回の買収は良い感じだね。ヤマハはいい会社だ。誰かが言ったように、彼らはミュージシャンが興味を持つ製品をよく分かってる。

35:ようやくアンペグの元に高品質という言葉が帰ってきそうだね。長いこと掛かったなあ。

36:ここ最近、投資家によって台無しにされるアメリカの楽器メーカーが増えてない?

37:ヤマハのボートとバギーの工場を知っている者として、このニュースは最高だね。

彼らはちょっとした品質問題が発覚した時に、1分で3万ドルの製品を製造するラインを止めて、原因を究明するとともに再発防止策を立てていたんだ。アンペグがそんな会社の傘下に入るのは嬉しいよ。

38:こりゃヤマハは真空管駆動のバイクを発売するな

39:ヤマハ昔話の時間だね。

俺は1990年代に楽器店で働いてた。そこはヤマハの正規販売店で、ドラムやPA、ベースにギターと、あらゆるヤマハ製品を売ってた。

彼らは何か問題が発生しても即座に対応してくれた。彼らより優れたサポートをしてくれる大手メーカーは無いね。

その頃ヤマハは、ソルダーノがデザインしたT シリーズというギターアンプを販売していた。

素晴らしいアンプだったけど、購入した客からヒューズが飛びまくるという相談を受けたんだ。買ってから何年も経ってたから、もちろん保証は切れてた。

それに対しヤマハは、修理のためにアンプをマイク・ソルダーノのところに送るよう手配してくれたんだ。しかも送料はヤマハ持ちだよ。

そのうえ客のために新しいアンプまでくれたんだ。30日間の支払い猶予付きでね。

前にも言ったように、ここまで丁寧な対応をする会社に巡り合ったことはないよ。

40:アメリカの会社のままでいてほしかったな...

41:↑Yamaha Guitar Group はアメリカの会社だよ。YGG はブランド開発やマーケティングも担当する。

製品開発には日本のスタッフも参加するかもしれないけど、計画を主導するのはYGG のはず。Line 6 と同じだよ。グローバル企業の組織は複雑だからね。もちろん本社は日本だよ。

(訳注:YGG はLine 6を元に発足した会社。ヤマハは2014年にLine 6 を買収しています)

42:レクサスのエンジン、カーター・ビューフォードとジミー・チェンバレンのドラムキット、川で借りたジェットスキー、ビリー・シーンとネイザン・イーストのベース、友達の家の倉庫にあるスポーツ道具...これらすべてが同じ会社で作られてるとかマジで驚異的だよね。しかも品質も最高なんだ。

43:この買収で良かったのは、ネガティブなコメントを見ることなく、Talkbass のスレッドを10ページも読めたこと。

44(Line 6 のプロダクトマネージャー):ヤマハとLine 6 の社員の大半は、この買収を当日の午後3時に知らされたんだ。公になったのはその3時間後だった。

発表があったとき私はオフィスにいたんだけど、同僚のベーシストは興奮で震えていたよ。

また別の同僚は「俺はアンペグを愛してる。そしてついに夢の仕事に就けたんだ」と言っていた。

YGG は成功に向けて努力する。新製品の開発には少し時間がかかると思うけど、素晴らしい製品を届けることを約束するよ。


抄訳は以上です。Talkbass はアメリカのフォーラムなので、「おらが国の会社が日本企業に買われるなんて!」といった反発が多いかと思いきや、ほぼ歓迎ムード一色なことに驚かされます。

これはヤマハ = 高品質というイメージが世界的な共通認識であることを示すとともに、いかにアンペグの評価が下がっていたかの表れと言えそうです。

ヤマハには、この期待を裏切らない運営を期待したいところです。

ソース:Talkbass - Ampeg joins Yamaha family
参考:Transom Capital - Transom Capital acquires brands, including Mackie, Ampeg, EAW Audio, from Loud Technologies, Inc. 
Line 6 - ヤマハ株式会社がLine 6の株式取得へ
サウンドハウス - Ampeg 一覧

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