米国のギターアンプメーカーFryette (旧称VHT) が、真空管パワーアンプを内蔵するアッテネーターPS-1 Power Station を発表しました。
一般的なアッテネーターは音量を下げる方向にしか作用しませんが、PS-1は50W の真空管パワーアンプを備え、低出力なアンプの音量を上げる「パワーブースター」としても使えることが特徴です。
公式製品ページにパワーブースターについて詳細な説明はありませんが、PS-1はライン出力端子を備えるとともにキャビネット不要のサイレントレコーディングも可能なので、おそらくギターアンプの出力を一度すべてライン信号に変換してから内蔵パワーアンプで再増幅しているものと思われます。ギターアンプをまるごとプリアンプとして扱うようなイメージです。
このパワーブースター機能によって、フェンダーChamp やオレンジTiny Terror のような小型アンプをライブで使える音量にできるとFryette は述べています。
またPS-1はエフェクトループを備えます。つまり、
ギターアンプ>PS-1>(PS-1のSend>エフェクター>PS-1のReturn)>キャビネット
と繋ぐことで、エフェクトループ非搭載のアンプにループを追加するような使い方もできます。
さらにラック/フロア型プリアンプのパワーアンプとして使えるほか、ライン入力も備えるのでラックエフェクター用(WETサウンド用)のパワーアンプとしても使えます。
そのほか主な仕様は、フロントパネルにVolume、Presence、Depth の3ノブと、Hi EQ (Edge/Brite/Flat)とLo EQ (Deep/Warm/Flat) の2スイッチ。
リアパネルはアンプ入力端子、アンプインピーダンス選択スイッチ(4/8/16オーム)、フットスイッチ端子(バイパス用)、ライン出力端子(アンバランス)、ライン入力端子(アンバランス)、FXセンド/リターン端子、FX レベル切替ボタン、スピーカーインピーダンス選択スイッチ(4/8/16オーム)、スピーカー出力 x 2、グランドリフトボタン、電源端子。
真空管は12AX7 x 1、6L6 x 2。寸法と重さはW35 x H7 x D23cm、7kg。
Fryette PS-1 Power Station は2015年1月18日発売予定。価格は599ドル(約7万2000円)。ハンドル付きケースとラックマウントキットも発売予定です。
アッテネーター、ライン出力、エフェクトループ、50Wの真空管パワーアンプという多彩な機能を考えると、599ドルという価格はお買い得と言えそうです。
なおPS-1の競合製品としては、BadCat が2013年初頭に発売したUnleash があります。機能はほぼ同じですがパワーアンプはトランジスタです。
こちらはUnleash の実戦動画。Phil X 兄貴の弾くマーシャルの上で光っています。
ソース:Fryette
参考:BadCat
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