ギター用サウンドシステムの製作で知られる米L.A. Sound Design 社が、EJ ことエリック・ジョンソンのペダルボードを公開しました。
EJ のボードと言えば、音質にこだわった結果としての、ボロボロの木の板とごちゃごちゃしたケーブルがトレードマークでした。
しかし今回のLASD 製ボードは、ファンにとっては驚きの、整然としたモダンな仕上がりになっています。
(旧ボード)
アンプも含めたシステム全体の概要は、まず基本サウンドとしてリード、ダーティーリズム、クリーンの3系統に別れています。
それぞれのペダルとアンプの組み合わせは、
リード:ヴィンテージのThomas Organ CryBaby Wah - BK Butler Tube Driver - Catalinbread Belle Epoch - 100W Marshall
ダーティーリズム:Ibanez TS808 (現行品のAnalogman Mod) - Jim Dunlop Eric Johnson Fuzz Face - MXR Flanger / Doubler (ラック型、ボード右上のインターフェイスボックスに接続) - Belle Epoch - 50W のJTM45 またはプレキシマーシャル
クリーン:エレハモDeluxe Memory Man (黒いループボックスに接続) - Catalinbread Echorec - TC Electronic SCF Chorus / Flanger (ステレオ出力) - 1960年代のFender Twin Reverb 2台
チューブドライバーは、過去のボードと同様に底上げしつつ斜めに配置。またバッファードバイパスのTS808 をファズフェイスの前につなぐのもEJ 流です。
(チューブドライバーは、開発者のバトラー氏による復刻版が販売中。直販サイトは海外発送に対応しているので、興味の湧いた方は本記事下部のリンク集からどうぞ)
そしてEJ サウンドの中核を占めていた、Maestro Echoplex とBOSS DD-2 がカタリンブレッドに変わったことは、ファンにとって大きなニュースと言えます。
ケーブルはEJ が長年に渡り愛用しているGeorge L's で統一しつつ、異なる種類のプラグを組み合わせることで音質を微調整。
また線の這わせ方を変えると音質も変わるため、何度も試行錯誤を繰り返したとのことです。
パワーサプライはプロ御用達のVoodoo Lab Pedal Power 2+ と電源タップの組み合わせ。
PP2+ はベルエポックとエコーレック用。いずれも動作電圧は9V から18V に対応していますが、サウンドを比べた結果、前者は9V、後者は12V で駆動しています。
そのほかチューブドライバー、メモリーマン、SCF はタップに接続。ワウ、ファズフェイス、チューブスクリーマーは電池駆動です。
EJ がLASD にボード製作を依頼したのは、同社のボードを使用しているマイケル・ランドウとの共演がきっかけとのことです。
一方で依頼を受けたLASD のDavid Phillips 氏 (EJ の大ファン)は、細部にこだわるEJ との仕事は、これまでで最も大変なもののひとつだったと述べています。
ファン目線で見ると、現行製品が増えて真似しやすくなったことが嬉しいところと言えそうです。
2月27日追記:早速ボードがアップデートされました。TS808 用のループボックスを追加し、ファズフェイスの前にTS (=バッファー)を入れるか入れないか選べるようになりました。
TS をFF の前に入れる際は、FF のゲインを下げ目にしています。なおEJ は基本的にTS とFF を同時にオンにすることはありません。
またEJ Fuzz Face の開発者であるWay Huge のジョージ・トリップスいわく、EJ はファズのバイアスをかなり低く設定しているとのことです。
ソース: LA Sound Design (Facebook)
参考: TGP - Eric Johnson's new pedalboard, no rats nest no more!
Eric Johnson 公式サイト - Gear
Butler Audio
Dunlop Blog - MXR 40th Anniversary: The Rackmount Era
サウンドハウス - GEORGE L'S 一覧
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