米Fryette Amplification (旧称VHT) が、エレキギター用のフルチューブプリアンプValvulator GP/DI を発売しました。
キャビネットシミュレーターなどの多彩な機能を備える、レコーディング向けの製品です。
GP/DI は、3本の12AX7 真空管と1本の12DW7 真空管を使った、フルチューブかつフルアナログのプリアンプ。
マイクを立てたスピーカーキャビネットのシミュレーターを内蔵し、オーディオインターフェイスやミキサーなどに直接つないで、リアルなギターサウンドを録音できます。
またヘッドフォン端子に加えて出力1W のパワーアンプも備え、練習やキャビネットを使った小規模なライブにも対応可能です。
前面のコントロールは、
- Voicing スイッチ:サウンドをClean、Deliverance (ヴィンテージドライブ)、Pittbull (モダンドライブ)から選択
- Gain I:セカンドゲインステージと全体のトーンを調節
- Gain II:サードゲインステージを調節
- More / Less スイッチ:ゲインステージの数を4段と3段から選択
- 3バンドEQ
- Deep / Tight スイッチ:プリEQ 段とパワーアンプ段の低域を調節
- Volume:スピーカー出力とライン出力の音量を調節
- Dynamics:真空管アンプの電圧の違いによる変化を再現
- In / Out スイッチ:マイク+キャビネットシミュレーターのオンオフ
- Contour:マイク+キャビネットシミュレーターの中域を調節
- Emphasis:マイク+キャビネットシミュレーターの高域を調節
- Air / Bite スイッチ:マイクの設置位置による違いを再現
- Level:ヘッドフォン端子とDirect Out 2 端子の音量を調節
背面の端子およびスイッチは、
- インピーダンス切替:Speaker 端子のインピーダンスを8オームと16オームから選択
- ヘッドフォン端子:ステレオ出力
- Program Input:MP3 プレイヤーなどを接続。ここから入った音はヘッドフォン端子からのみ再生される。音量は接続した端末側で調節。
- Return R / L 端子:ヘッドフォン用エフェクトループのリターン端子
- Send 端子:ヘッドフォン用エフェクトループのセンド端子。ローインピーダンスのモノラル信号。
- AUX Level スイッチ:AUX 端子の感度を楽器用とライン信号用(-10db)から選択
- AUX 端子:外部音源の入力のほか、ラックマウント時とリアンプ時の入力端子としても使用可能
- Speaker 端子:スピーカーキャビネット用の出力端子。エフェクトループとキャビネットシミュレーターからは独立。
- Line 端子:アンバランスのライン信号を出力。エフェクトループとキャビネットシミュレーターからは独立。
- Direct Out 2:アンプおよびマイク+キャビネットシミュレータ経由の信号を出力
- Direct Out 1:前面のコントロールから独立した、チューブバッファードのダイレクト出力。リアンプ用のほか、アコースティック楽器の真空管ダイレクトボックスとしても使用可能。
- 寸法:W21.8 x H9.1 x D15.7cm
- 重量:2.5kg
注意点として、エフェクトループはヘッドフォン端子用なので、メインの音にエフェクトを掛ける際は、GP/DI の前か後ろにエフェクターをつなぐ必要があります。
Fryette Valvulator GP/DI は税込実売10万5000円前後で販売中。参考までにフライエット直販価格は799ドルです。
ここ最近のデジタル製品の機能と品質を考えると少々高価に映りますが、先日発売されたCarvin VLD1 とともに、アナログ派にとっては見逃せない製品と言えそうです。
ソース: Fryette - Valvulator GP/DI
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