先日開催された楽器見本市Winter NAMM Show より。米国のエフェクターメーカーZ.Vex が、世界初のロウソクの炎で動くフェイザー/ヴィブラートCandela Vibrophase を公開しました。
細かい話はさておき、まずは実際に動いている様子とサウンドをご確認ください。
Candela Vibrophase (以下CV)は、電池などの電源は使わずロウソクの炎のみで動作するギター用エフェクター。
ロウソクはエフェクト回路の電源としてのほか、フォトセル(光センサ)の光源や、遮光パネルを回すスターリングエンジンの動力源としても使います。
上の画像の透明な筒が付いた部分が、遮光パネルを回すスターリングエンジン。筒の中には高圧の空気が入っており、加熱と冷却による体積の変化でシリンダーを動かしてパネルを回します。
左の黒い筒にはメインのエフェクト回路を収納。4個のフォトセルがロウソクの炎に反応してエフェクトを掛けます。
回路への電源は、ロウソクの隣に置かれた2枚の太陽光パネルで発電する仕組みです。
遮光パネルの回転速度は渦電流ブレーキで調節。パネルに繋がったフライホイールに銀色の磁石を近づけると回転速度が落ち、それに合わせてエフェクトもゆっくり掛かるようになります。
上のボックスについて公式な説明はありませんが、おそらくギターとアンプの接続インターフェイスとエフェクトのオンオフスイッチを兼ねたものと思われます。
(ロウソクを持つ創業者ザッカリー・ヴェックス氏)
CV が使うロウソクは、1個あたり8セントほどの市販品。1個で約5時間の動作が可能とのことです。
エフェクターをロウソクで動かそうと考える時点で常人の発想を超えていますが、さらにスターリングエンジンや渦電流ブレーキといった要素を加えつつ、見た目も美しく仕上げるザッカリー氏の手腕には、ただただ感服するほかありません。
昨年のNAMM で披露したマルチエフェクターBomb POP がヤケクソ感ただよう仕上がりだったのとは真逆の、完成度の高い逸品です。
2月25日追記:なんと正式に販売します。価格はZ.Vex へ問い合わせる必要がありますが、目安は6000ドル前後とのこと。
また公式サイトに詳細な解説付きの製品ページが追加されるとともに、公式動画も公開されています。
ソース: Z.Vex Effects - Candela Vibrophase
参考: MusicRadar - Z.Vex unveils world's first candle-powered effects pedal, the Candela Vibrophase
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