日本の音楽業界では超定番的存在のモニターヘッドフォンSony MDR-CD900ST。
しかし海外の音楽フォーラムを眺めていると、その名前は日本ほど浸透していないように見えます。
この日本と海外における知名度の差を不思議に思い、ならば製造元に聞いてみようということでソニーに問い合わせたところ、基本的にCD900ST は日本向けの製品で、海外では販売していないと回答がありました。
海外販売をしない理由は確認できませんでしたが、おそらくは開発経緯と関係があるものと思われます。
MDR-CD900ST は、1989年にCBS ソニー信濃町スタジオ(現在のソニー・ミュージックスタジオ)で使うために誕生しました。
つまり日本のスタジオに特化した製品なため、海外向けには販売されなかった可能性が考えられます。
また当時の海外では、1985年に発売されたMDR-V6 が人気を集めていたことも、900ST の発売を見送る要因になったかもしれません。
そしてそのV6 は国内で販売されていないため、900ST が日本の音楽業界で定番の地位を築くことになったと思われます。
なおその後1991年には、V6 と900ST の流れをくむMDR-7506 がグローバル発売され、ソニーの定番モニターヘッドフォン3兄弟(勝手に命名)が揃います。
いずれもプロ用らしいフラットなサウンドを備えつつ、キャラクターは微妙に異なるので、好みの1台を探すのも楽しいかもしれません。
参考リンク
SMCI - MDR-CD900ST
Sony- MDR-7506
Wikipedia - Sony MDR-V6
サウンドハウス - SONY 密閉型ヘッドホン 一覧
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