米国のエフェクターメーカーFulltone が、ディレイユニットSolid State Tape Echo (SSTE) を3月に出荷開始します。希望小売価格は799ドル(約9万5000円)。
SSTE は本物のカセットテープを使用するテープエコー。Fulltone の創業者マイク・フラーが愛用していた初期型のMaestro Echoplex EP-3 を元に開発されています。
製品ページに記載の主な仕様は:
- オリジナルEP-3 の1/3 サイズ、ハンドメイド、Bullet-Proof (防弾=頑丈)
- ボールベアリング採用のETC-1 テープカートリッジ(1個40ドル、TTE と共通)
- ヴィンテージEchoplex のようなヒス/ハムノイズは無し
- 1.1メガオーム入力、超低インピーダンスの10K オーム出力 (=バッファードバイパス) 。オリジナルのEP-3 は出力バッファ非搭載のため、長いケーブルを使うとノイズなどの問題が発生する点を改善
- トゥルーバイパス化するトグルスイッチ搭載
- テープスピードは2種類、ディレイタイムはスラップバックから最長1秒
- 2つのプリアンプモードを選択可能
- EP-3 モード:シリアル#9451以前の初期型EP-3が採用するTIS58 JFET を使い、わずかに低域をカットし高域をブースト
- Full モード:ギターの原音をそのまま生かすフルレンジプリアンプ
- Instrument Volume & Echo Volume ノブ:原音とディレイ音の音量を個別に調節。前者は最大10db のクリーンブーストが可能。オリジナルEP-3 のMix ノブが、原音の音量が固定で、右に回すほどノイズが増える問題を解決
- Echo Repeats ノブ:リピート回数を設定。1時以降にセットすると後述のRecord Level ノブの設定次第で簡単に発振可能
- Echo Highs スイッチ:ディレイ音をEP-3を再現したVintage と、よりクリアなBrilliant から選択
- Record Level ノブ:テープへの録音レベルを調節。3時以降でより太いディレイサウンドに
- リレー式のEcho Cancel 端子:別売のEcho Cancel Footswitch (ECF、175ドル) でエフェクトのオン・オフ操作が可能。オリジナルEchoplex はディレイ音がこの端子を通っているため長さ180cm 以上のケーブルを挿すとディレイ音が消えるが、SSTE ではディレイ音は分離されているので150m のギター用シールドを挿しても問題なし
Fulltone SSTE は少数のFulltone Customshop ディーラーを通じてのみ販売されます。週間生産台数は最大10~12台。
製品の発表から発売まで数年かかることも珍しくないフルトーンですが、このままゆけばSSTE は昨年4月の発表から約1年と比較的短期間で発売されることになります。
Fulltone Solid State Tape Echo 発表、Maestro Echoplex EP-3 回路採用のテープエコー
なおFulltone は従来から真空管プリアンプ採用のTTE ことTube Tape Echo を1400ドルで販売しています。より安価かつコンパクトで、真空管を交換する必要もないSSTE とのサウンドの違いが気になるところです。
(左がTTE、右がプロトタイプSSTE from Musictoyz)
またSSTE の競合製品としては、デンマークのエフェクターメーカーT-Rex が本物のテープカートリッジを使うReplicator を発売予定です。
T-Rex、本物のカセットテープを使ったテープディレイReplicator 発表。タップテンポ対応、799ドルで今秋発売予定
ソース:Fulltone
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