世界最大級のギターフォーラムThe Gear Page で、ギアオタ管理人がツボったスレッドを紹介する不定期シリーズ「今日のTGP」。
第2回は、政治の話が好きすぎる友人のバンドに誘われたものの、どうしたものか悩んでいるという相談です。
スレッド名:Turning a band down/quitting because of beliefs?
訳:政治的信条のためにバンドを断る/辞めるべき?
#1:OK、この話は実際の政治について触れる必要はないから、揉め事は無しでいこう。
俺の古い友達が素晴らしいシンガーソングライターと知り合い、バンドを組もうという話になったそうなんだ。
彼は俺をバンドに誘ってくれて、音楽性も好みだったから、とりあえず今後の計画について話すことにした。
友達を俺の家に招待して、夕飯を食べながら話をしたんだけど、彼はいきなり政治の話をしだしてね。
しかも中傷的な言葉を叫んだりするもんだから、妻は子供を連れて部屋を出ていくし、俺も彼を追い出す寸前だった。本当に最悪で後味の悪い夜だったよ。
翌日メールで話してお互い納得したんだけど、彼は昔からこの手の話が大好きなんだ。(こんなに熱くなったのは初めてだけど)
だからバンドに入るべきかどうか悩んでる。彼との友情が終わるかもしれないからね。音楽性は問題ないけど、それ以外の部分で問題が起きないか心配なんだ。
政治的信条が理由でバンドを辞めたり、誘いを断ったりしたことある人はいるかい?みんなの経験を聞きたいんだ。
#3:似たような経験はないけど、それに耐えてまでライブをやる価値があるとは思えないな。
#4:政治の話は禁止というルールを設けるのはどうだろう。うまく行かなかったら辞めればいい。
#5:自由に話せて、賛成も反対もできるのが議論だ。でもそれに時間を費やす価値があるか判断するのは君だよ。
世の中には自分とは異なる意見を認めない人もいる。彼らは相手の考えを変えなきゃいけないと思い込んでいるんだ。
俺は大丈夫だよ。俺も相手の考えを変えたいと思うからね。俺も政治の話が好きなんだ。でももちろんその手の話が嫌いな人もいる。個人的な経験だけどね。
#6:自分に置き換えて考えてみると、うまくできる自信はないね。
特にオリジナル曲をやる場合は。政治や個人的な考えは、遅かれ早かれ音楽性に表れてくるから。
#7:他人の家で失礼なことをするような奴が、酒でも飲んでライブをしたら何をしでかすか想像できる?
個人的には、どんな話題であれ攻撃的な人間とは付き合わないことにしてる。まるで俺の兄貴みたいだ。
#13(スレ主):(議論の相手は君?それとも奥さん?という質問に対し)相手は俺。妻はおだやかな性格で、騒々しい人間が好きじゃないんだ。
彼は声がデカくてね。だから彼女は落ち着かなかったんだと思う。彼が叫びだすと、彼女は子供を連れて部屋から出ていった。
#11:俺だったらパスするね。俺の家族をリスペクトしないような奴と付き合うことはできない。
俺なら「申し訳ない。考えてみたが合わないと思う」と言うよ。俺が前のバンドを辞めたのは、他のメンバーからとある政治活動に協力するよう言われたからなんだ。
#13:俺には無理。俺の周りにも政治の話が大好きな奴が大勢いるよ。
奴らはすぐ頭に血がのぼって、相手が自分の考えに納得し同意するまで話をやめないんだ。
この2年*ほどで多くの人と疎遠になった。悲しいね。
*訳注:2016年の大統領選挙に端を発した、米国内の状況を指しているものと思われます。
#14:俺だったら、そのプロジェクトが十分な収入をもたらす場合のみ、政治的信条や信教の違いを受け入れる。そうじゃなければ出ていくよ。
音楽や芸術的なプロジェクトは楽しいもののはずだよね?金儲けが目的じゃないなら、天才よりも一緒にいて楽しいやつと組みたい。
#17:個人的には、すぐ熱くなって攻撃的になり、まともな議論が出来ないような奴とは組めないし、しばらく距離を置くね。
誰かと一緒に何かをする際に、いちばん組みたくないのはその手の人間だよ。
#23:俺は政治や宗教について異なる意見を持つメンバーとバンドを組んだことが何度もある。
議論をしたり、ジョークのネタにしたり、キツい突っ込みを入れたりして、お互いに落とし所を見つけることもあれば、すべてを忘れて音楽に集中することもあった。
問題はケンカ腰になることであって、異なる考えを持つことじゃないよ。
#29:これまで何度か、リーダーの政治的信条が自分とは異なるバンドにいたことがある。
あるリーダーは超リベラルで、別のリーダーは超保守的だったりね。
それが理由でバンドを辞めることはないけど、マヌケと一緒に居るのは耐えられない。スレ主はまさにその状況だと思うよ。
よくメンバー募集の広告に、特定の主義主張をほのめかす文章が書いてあったりするけど、俺はそれを観た瞬間にパスするね。
#31:アメリカ国内の政治状況は、過去に例がないほど分断され、多くの家庭や友人関係を破壊した。
だから俺は誰とも政治の話をしないことにしてる。それぞれ自分の意見があるからね。
#37:自分と完全に同じ考えの人間なんて存在しない。もし彼が落ち着いて議論できないなら赤信号だね。
あと自分の経験上、他人の意見に不寛容な奴は、いつか必ずバンド内で揉め事を起こす。ガキのまま成長していないのさ。
#42:俺が6年前にバンドを辞めたのは、女性を差別するメンバーがいたからなんだ。俺の妻もその対象だった。
去年の11月に別のバンドを抜けたのも同じ理由。だからスレ主もやめたほうがいい。
じゃないと何かが起こってバンドを辞めるその日まで、イライラを自分の中に溜め込んで苦しむことになる。
#54:問題は彼の政治的信条ではなく、すぐカッとなる性格だよ。たぶん何でも議論のネタにするだろうね。
#57:ウチに来て妻と子供に嫌な思いをさせるような奴は追い出すし、もう話すこともないだろうね。バンドを組むなんてもってのほかだよ。
#59:個人的に、特に音楽を作るときは、自分と政治を分けることはない。俺は自分の政治的信条が入ったオリジナル曲を演奏してる。
俺には信条が完全に違う友人がいるけど、彼のことは人間として尊敬してる。
彼と話すときは、100個の同意できない事柄よりも、2つの同意できる事柄で盛り上がるようにしてるんだ。じゃないと本当にウンザリしてしまうからね。
つまり俺は彼らをアメリカの破壊者だと思っているけど、彼らも俺達を同じように思っているってこと。
俺が自分の曲を演奏するときは、自分の気持を表現したいし、それをメンバーに支えて欲しいと思う。
だから全員が同じ意見を持つ必要はないけど、バンドの雰囲気には統一感が欲しいんだ。
もちろんカバーバンドやウェディングバンドは話が別だよ。プロとして演奏できるならメンバーは誰でもウェルカムだし、会場も自分が同意できない内容のチャリティーイベントとかじゃなければ問題ない。
でも自分の家で政治の議論をするのは勘弁だね。そんなこと誰がやりたいんだ?
#66:心の許容量は人によって異なる。それは技術でもある。手の上でコインを転がすようなもんだね。
つまり自分と相手の両方が、異なる意見をうまく扱う技術を持っていない場合、その話題はやめたほうがいい。
過去に自分とは考えが180度異なるドラマーとバンドを組んでいたことがある。彼とは長い付き合いで、頻繁にライブもしてた。
彼が議論モードに入ると、俺は何も言わず離れることにしていた。(たぶん彼も俺に対し同じことをしていたと思う)
俺は常に以下の2つの点を意識してた。
1)彼のドラマーとしての力量への深いリスペクト
2)彼の意見の中で正しいものと間違っているものを把握する。洗脳されるやつを責めることは出来ない。どうしようもないことなんだ。
つまり思ったことをそのまま口に出してはいけないってこと。
「互いに歩み寄ることの重要性を理解している大人ではなく、公園で遊ぶ8歳の子供のように振舞いたい」という気持ちに流されないことが大切なんだ。
#69:政治についてケンカ腰で話したがる人間ってのはいる。そして誰かが言ったように、彼らは相手の考えを変えなきゃ気がすまないんだ。
俺はその手の人間とは距離を置くようにしてる。俺には長年一緒に演奏しているミュージシャンの友人がいて、彼は共和党を熱心に支持している保守的な人間だけど、俺はぜんぜん違う。
俺達は政治について熱い議論を交わすけど、決して行き過ぎることはない。互いの意見を尊重し、認めあっている。
#93(スレ主):興味深い反応がいっぱいあるね。すべてに返信できたらいいんだけど。みんなの助言に感謝するよ。
参考までに、俺と友人はかれこれ30年ほどの付き合いなんだ。彼は昔の親友で、大学時代は一緒に住んでたし、ケンカもした。(当時組もうとしてたバンドのことでね)
何年も連絡をとっていなかったんだけど、10年ぐらい前に再会したんだ。
彼は強烈な個性の持ち主で、話し声もデカい。頭も良くて面白い奴なんだけど、思ったことを何でも口にするんだ。
彼のSNS は政治に関する言葉(と文句)ばかりで、他の友人と揉めることもしばしばあった。
よくフェイスブックのフレンドとジャブを打ち合ってるよ。俺は最近までその輪に入らないようにしていたんだ。
率直に言って、あの日の彼の様子には血の気が引いたよ。その日の晩はベッドに入っても落ち着かないし、目覚めたときは怒りと憂鬱に包まれていた。
翌日の夜には別の古い友人が来てくれて、互いの友情を確認した。俺には必要なものだと思ったんだ。
もし彼が会ったばかりの人間だったら、すぐに追い出していただろうね。
誰かが言ったように、妻は彼のバンドに入ることを喜ばないだろうね。彼女はクールで特に何も言ってこないけど、気持ちは分かる。
妻が息子を連れて部屋を出ていったときは辛かった。息子には「2人が立ち上がったとき、ケンカをするのかと思った」と言われたよ。完全に間違ってる。
彼が何度も大声でF ワード* を言うもんだから、その度に言葉遣いと大声を注意したんだけどね。
*訳注:F Word = Fuck またはFaggot (ゲイの差別的な呼び方) の遠回しな表現。似たものとしてN Word はNigger (黒人の差別的な呼び方)、S Word はShit (クソ)。
抄訳は以上です。スレ主の友人は、政治の話が好きすぎることよりも、その熱くなりやすい性格の方が問題と言えそうです。
なおTGP では政治や宗教の話はNG で、その手のスレッドは管理人によって即削除されますが、このスレは特定の政党や政治主義について語っていないため、お咎め無しとなっています。
ソース: TGP - Turning a band down/quitting because of beliefs?
参考: かわいいフリー素材集いらすとや - アメリカの大統領選挙のイラスト
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