ハモンドオルガンやレスリースピーカーで知られるHammond USA が、ギター用レスリーシミュレータLeslie G Pedal を発表しました。2013年発売のマルチ楽器対応Leslie Pedal を小型化するとともに、エレキギターでの使用に最適化したペダルです。
(Leslie Pedal)
レスリースピーカーとは、アメリカの技術者Donald Leslie 氏が開発し、同氏の興したElectro Music 社が販売した回転式スピーカー(ロータリースピーカー)の製品名。
仕組みを簡単に説明すると、高音を出すホーンと低音を出すウーファーをそれぞれ反対方向に回すことでドップラー効果を生み出し、ギター用エフェクターでいうところのコーラスやトレモロのような効果を得ます。
ドップラー効果についてもざっくり説明すると、音の発生源と聴く人の相対距離が変わると音程が変化する現象のこと。救急車のサイレンが近づいてくるほど高く聞こえ、遠ざかるほど低く聞こえるのはこの効果によるものです。
上の画像はレスリースピーカーをプラスチックケースに収めたもの。最上段の黒いラッパがホーンで、左下のモーターで回します。
ウーファーは下向きに付けられており、その下の箱が回転することで低音の飛ぶ方向を変えます。また箱の左には入力信号を増幅するための真空管アンプが見えます。
なおレスリースピーカーはハモンドオルガンとの組み合わせで知られますが、Electro Music 社とハモンド社は元々別の会社です。
ハモンドとレスリーの商標と製造権は紆余曲折を経て、現在は日本の鈴木楽器製作所が所有し、ハモンド・スズキとしてオルガンやスピーカーを製造販売しています。今回G Pedal を発表したハモンドUSA も鈴木楽器の傘下です。
ちなみにレスリー氏は1965年にElectro Music 社をCBS に売却しますが、当時のCBS はFender も傘下に収めており、Fender ブランドのロータリースピーカーとしてSRV ことスティーヴィー・レイ・ヴォーンの使用で知られるFender Vibratone が発売されることとなります。
G Pedal に話を戻すと、中央のロータリースイッチでスピーカーの種類をモデル122と147、Vibratone を再現した18V の3種類から選択可能。右端のPreset ではユーザーが作成した設定の保存と呼び出しができます。
フットスイッチは左でエフェクトのオン・オフ、右でエフェクト速度のSlow/Fast を切り替え。
Dry とWet ノブはそれぞれ原音とエフェクト音の音量を、Red Line ノブはエフェクト全体の速度を、Rise & Fall はフットスイッチでエフェクト速度を切り替えた際の変化のしかた(ゆっくり~急激)を設定します。
入力はモノラル、出力はステレオに対応。バイパス方式はトゥルーバイパス。電源はDC9V サプライで最大消費電力は300mA。
Hammond USA G Pedal は2015年2月発売予定。定価は399ドル。実売価格は329ドル(約3万9000円)になる見込みです。
ソース:Hammond USA
参考までに他社の現行ロータリースピーカーペダルをご紹介。
BOSS RT-20
TECH21 SansAmp Roto Choir
Neo Instruments VENTILATOR II
Behringer Rotary Machine RM600
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