イタリアのアンプ・ペダルメーカーGurus Amps がEchosex 2を発売しました。製品名の「2」にマルが付いていることからも分かる通り、同じくイタリア生まれの名機Binson Echorec 2を現代の技術で再現したディレイペダルです。
1960年代に発売されたビンソン エコーレックは、円形の磁気ドラム/ディスクにサウンドを録音し、それを繰り返し再生することでディレイ/エコーサウンドを得るアナログユニット。
ドラムには録音したサウンドを読み取るためのヘッドがスプリングを使って押し付けられています。
ヘッドは時間が経つにつれて変形し、それによって生まれる揺らぎのあるディレイサウンドと真空管プリアンプの歪みが、Echorec のサウンドをユニークなものにしています。
ピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモアが愛用していたことで知られるEchorec ですが、英語版Wikipedia にはレッド・ツェッペリンのWhen the Levee Breaks のドラムにも使われたと書かれています。
のちに多くのアーティストにサンプリングされることになる強烈なドラムサウンドは、ジョン・ボーナムのプレイと工夫をこらした録音方法に加えて、Echorec の貢献も大きかったようです。
そんなEchorec のサウンドを再現するために、Echosex は12AX7/ECC83 真空管と様々なフィルタを組み合わせたGurus Amps 独自の「Binson System」を搭載。PT2399 チップで創ったデジタルディレイサウンドをそこに通すことで、当時のアナログサウンドを蘇らせます。
下段は左がディレイ回数調節のLength of Swell、右がディレイ間隔調節のEcho。中央の真空管が見える窓はディレイのタイミングにあわせて緑色に点滅します。
加えて本体側面のDip スイッチでは入力レベルを-10dB と+4dB から選択でき、ギターのほかパッシブ/アクティブベースやラインレベルの楽器にも対応するとともに、Echosex をオフにした際にディレイ音を設定回数鳴らし続ける or 即座に切るかも選択できます。
なお各ツマミの英語が「マカロニ・イングリッシュ」(文法的にあやしいイタリア風英語)なことや、タップテンポ機能がないこと、モノラル入出力なこと、フットスイッチがバッファードバイパスなこと、真空管の窓が緑色に光ること、製品名の「゜」などは、すべてオリジナルのEchorec 2に準じたものとのことです。
Gurus Amps Echosex 2 は米国で415ドル(約4万9500円)、欧州では399ユーロ(約5万3800円)で販売中です。
価格的にはStrymon Timeline と同等ですが、率直に言って機能的には数段劣ります。機能の差を埋めるだけのサウンドを備えるのか試奏して確認したいところですが、今のところ日本の代理店は無いようなので高品質なデモ動画の登場を期待したいところです。
ソース:Gurus Amps
参考:Pedalshark / The Gear Page "Gurus Echosex 2 Delay"
http://en.wikipedia.org/wiki/Binson
http://en.wikipedia.org/wiki/When_the_Levee_Breaks
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