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2014/09/12

Vertex Effects 創業者 Mason Marangella の謝罪文 日本語全訳


Axis Wah 騒動で広くその名を知られることになったVertex Effects。創業者メイソン氏による謝罪文の日本語訳を掲載します。

TGP の該当スレッドは
また今後の対応や関連する著名ギタリストの反応については、先日の記事「Vertex Effects、AXIS WAH がBBE Ben Wah の外観を変えただけの製品と認め謝罪。回収、返金へ」をどうぞ。


2014年9月8日

親愛なるVertex コミュニティへ

私のファンとVertex 製品ユーザーの両方に、Axis Wah とその他の製品について知ってほしいことがあります。私に聞きたいことがあれば、一切遠慮せず以下のTGP のスレッドへ書き込んでください。

http://www.thegearpage.net/board/showthread.php?t=1477492


親愛なるインターネットコミュニティ、ミュージシャン、アーティスト、代理店へ

ここ2か月ほどの間にVertex について起こったすべてのことに対して、完全に正直かつ包み隠さず伝えるため、誰の助けも借りず自分の心に正直に書きます。

私は昨日、様々なギターフォーラムのメンバーでもある友人と話をしました。彼の居るフォーラムにはVertexのスレッドが建つこともあります。

小さなビジネスのオーナーでもあり、信用問題に直面した経験もある彼は、私にこんな話をしてくれました。

「過去に雇っていた従業員が、私の出版していた雑誌の記事を無断で転載し、それがバレて逮捕された後も転載ではないと嘘をついていた。証拠を突きつけられても真実を話さず、ただ自分が直面している現実から目を背け続けていた」

この話を聞いた時、私は自分について考え、理解しました。「それは自分だ!」と。

私は自分の心の声を無視していました。私は神の声を無視し、真実ではなくエゴに任せて語っていました。私は自分と自分の会社について正直に話します。それがどのような結果をもたらすとしても。


私 (Mason Marangella)

カリフォルニア大学に通い、社会学を専攻して学士号を取得しました。副専攻は教育です。私は顧客や代理店、アーティストに、電気工学の学位を持っていると嘘をついていました。また電気機器のデザイナーとしての技術はありますが、Vertex で製品開発の手助けをしてくれたエンジニアほどではありません。


Ken Volpe

ケンとは長い友人です。営業として素晴らしい経験があり、Vertex の代理店を増やし、彼らとの関係を良好に保ってくれました。

ケンはAxis Wah について何も知りません。私は彼にAxis Wah が本当はどんな製品なのか教えていません。彼が代理店に伝えた情報は、すべて私が話したことです。彼のこの会社での仕事は、代理店の窓口と私の代理人業務のみです。

一連のVertex 騒動において、彼は私を守る発言をしてくれましたが、それは「フォーラムに書かれていることは嘘だ」という私の言葉を信じてくれたからです。

しかし私は、私を助けようとした友人に嘘をつき、裏切りました。私は彼に、この騒動に巻き込まれないうちに退職することを許しています。


Michael Landau

マイケル・ランドウとVertex は関係を解消し、彼のシグネチャーモデル2製品、Landau Boost とLandau Chorus は、今月予定されている最終生産をもって製造終了します。

ランドウは、私のこの業界での成長を支え、過去数年にわたって製品開発を助けてくれました。彼が私に与えてくれた信じられないほど惜しみない援助、時間、指導、そして友情に心から感謝しています。

彼は私を信じ、名前を使うことを許可し、2つのシグネチャーモデルを開発させてくれました。私は彼の名声や、我々のビジネス上の信頼、そして友情を、Axis Wah というリブランド製品を売ることで傷つけました。

私の行為は会社の信用を地に落とすとともに、唯一無二のユニークなシグネチャーモデルの品質にも疑問の目を向けさせる結果になりました。

私は、マイケルと自分の双方が、この2人で共同開発した製品の驚異的な品質とサウンドを信じていたことを分かっています。しかし私は、彼がVertex との関係を続けることが彼の名声を傷つけること、この製品がマイケルと正式に契約したものではないこと、そして私の行為のために彼が非難されるのは間違っている、ということは理解しています。

(注:この文から、ランドウはVertex と正式な書面でのエンドース契約を交わしていなかった可能性が考えられます)

私は常にマイケルのことを友人だと思っていますし、今後の活躍を心から願っています。彼は私が6歳の頃から - 親が運転する日産セントラ(注:サニーの北米仕様) の後席に兄弟と座り、カセットデッキのJames Taylor "New Moon Shine" のリッチなアンビエント・ギターサウンドに耳を傾けていた頃から - インスパイアを与えてくれました。

私がギタープレイヤーとして、またリスナーとして成長する際には、マイケルのソロキャリアと歴史に熱中していました。マイケルのプレイを聴かずに1週間を過ごすことなどできませんでした。過去数年にわたりマイケルと働いたことはこの上ない名誉で、人生でもっとも忘れられない経験でもありました。


寄付

私は、自分の時間とVertex で得た利益を、カリフォルニア州オークランドにある2つのTitle 1 公立学校に寄付するとともに、他の2人の教師とともに毎週の音楽プログラムを助けています。その内のひとつASCEND Elementary school では、私は毎週2-3時間をそこで過ごし、財政的に余裕のない学校へ通う小学生へ音楽の授業を提供しています。今年度中はこのプログラムを継続し、児童が学校へ通う習慣を身につける手助けをしたいと思っています。

(注:Title 1 とは、米国教育省が運営する、経済的に困窮する家庭や学校を対象とした米国最古かつ最大規模の募金プログラム。参考リンク:Understanding the Basics of Title 1 Funds)

もうひとつの学校Berkley Maynard Academy では、Vertex の利益を学校の備品購入や、お金がなく遠足に行けない家庭のために寄付しています。(Landau Chorus の売上は、マイケルが別の寄付に使うためこの寄付には含まれていません)

参考までに、5年生のキャンプ旅行に寄付した際の領収書を添付しますが、ほかにも過去数年にわたり複数の寄付をしています。このお金は、カリフォルニアの大自然の中で行われるキャンプ宿泊学習へ、経済的な理由で子どもを参加させられない家庭のために使われました。

(注:領収書の画像はTGP のスレッドでご確認ください)


Vertex Axis Wah

Axis Wah はリブランドしたBBE Ben Wah です。変更箇所はLED、ボトムプレート、ゴム足、コントロールノブ、メーカーロゴ。加えてNOS モデルのみワウポットを100K Sテーパーに変更しています。筐体のシルクスクリーンは、フットパッドの「本」エンブレムを外すために取り除いています。また我々はよりフルレンジのスウィープを与えるためにポットを調節していますが、これはユーザー自身でもできる作業です。外観の変更作業や、変更に使用した部品の製造はカリフォルニアで行われています。なおNOS モデルのポットには米国内で入手したものを使っていますが、生産はおそらく台湾か中国だと思います。

私が数年前にBBE Wah を入手した際、それがヴィンテージのVOX 製ワウのサウンドを素晴らしく再現していることに気づきましたが、同時に見た目は酷いとも思いました。当時の私はワウの研究中で、開発にはさらなる時間とお金が必要という事実に直面していたため、BBE Wah が良い踏み台になると考えました。いくつかの外観デザインを検討して最高のものに仕上げた結果、Axis Wah はVertex で最も売れた製品になりました。私はオリジナルのワウの開発を続けようとしましたが、Axis が月を追うごとに引っ張りだこの商品になるにつれ、開発への熱意は冷めてゆきました。当初の私は在庫のAxis を売り切ることだけを考えていましたが、そんなことは起こりませんでした。

Axis は飛ぶように売れ、ユーザーはそれを気に入り、私は嘘を売っていることを忘れました。


Vertex Volume Pedals

これはVertex のウェブサイトとマニュアルに書いてある通りに製造しています。

ウェブサイト: https://www.vertexeffects.com/effect...o-volume-pedal
マニュアル: https://www.vertexeffects.com/docs/m...lumeStereo.pdf 

(注:執筆時点でともにリンク先が存在しません)

私は当初からこの製品がBoss FV-500 を元にMod (改造) した製品と説明し、またペダルの前面には "modified in the USA" と記載しています。Mod 内容は音質に影響を与える不要な部品を取り除くというものです。しかしその結果は絶大で、ストック製品との差は歴然としています。私がこのModの発明者ではないことは理解していますが、過去にこのMod を一般に公開した人がいないことも知っています。このMod を数名のアーティストに提供した後、複数の顧客から同じMod を求めるメールが届いたため市販することにしました。


Vertex Cables

我々はベルデンからMade in USA のケーブルを購入しています。ケーブルのスリーブ処理や端子処理、ハンダ付けなどすべての作業は社内で行っています。我々は高品質なヨーロッパ製Neutrik プラグと2層の熱収縮チューブを使い、緩まずしっかりとケーブルを保護しています。なおVertex ケーブルはツイストペアで方向性があると説明していましたが、本当は同軸ケーブルで方向性もありません。私はVertex ケーブルに生涯補償をつけています。

(注:当初Vertex ケーブルは、カスタムメイドの絶縁誘導体、スリーブ、ジャック、コネクターを用いてハンドクラフトしていると謳っていました)

過去に多くのケーブルを使用した結果、ペダルボードや様々なタイプのアンプ(クリーンとハイゲイン両方)、異なる出力のピックアップ(シングルコイルとハムバッキング両方)のすべてにおいて、最も高価なブティックケーブルを含めても、この組み合わせが最高であることを発見しました。これは我々が複数のアーティストや顧客とともに実施した比較テストからも明らかです。

私がVertex ケーブルの仕様を決めるために試行錯誤していたとき (ベルデンから仕入れるようになるとともに終了しましたが)、ピート・コーニッシュが自身の楽器ケーブルにベルデンのマイクケーブルを使っていることに気づきました。私はピートをこの業界における尊敬すべき人と思っているとともに、彼のケーブルのサウンドが素晴らしく、また自分の目的に合ったサウンドということもあり、同じことをして良いんだと思って真似をすることにしました。

(参考:Pete Cornish 公式サイト ケーブルページ。3m のギター・ベース用シールドで48.78英ポンド=約8500円)

しかしこの判断は、私のケーブルへ完全に間違った売り文句をつけることになりました。私は自分の製品について正しい説明をする義務がありましたが怠りました。顧客へ正確な情報を伝えて判断してもらうべきでした。


Landau Chorus

これはその名の通りの商品で、マイケル・ランドウが愛用する古いアリオンSCH-1 コーラスのサウンドに合わせるため多くの変更や修正が必要でした。しかしマイケルは元のケースを残すことを希望し、Vertex のケースや新しいPCB を使うことを拒みました。ランドウはこの製品をいつも高く評価し、オリジナルのアリオンコーラスと同じサウンドだと言っていました。

(注:現行アリオンSCH-Z コーラスのMod 品です)


Landau Boost

これも製品名通りの製品です。完全に透明でサウンドに色付けせず、マイケル・ランドウの監修のもと開発されました。これは素晴らしい製品で、原音に変化を与えずにブーストできる唯一のペダルです。あなたのトーンを変えず、純粋に音量をあげます。私の知る限り、この製品は既存のどのブーストペダルとも共通点がありません。我々はVertex 製ペダルボードが備えるアウトプットバッファーの回路を参考に、この完全に色付けのないブースターを生み出しました。また我々は、Vertex 製デュアルバッファーペダルボードのインピーダンス・アイソレーション機能を、ブースターに接続するボリューム / エクスプレッションペダルに採用しています。

以前からランドウはシグネチャーモデルについて、いずれも素晴らしいサウンドを備える説明通りの製品であると述べていますが、それは今後も変わらないと思います。


Vertex Boost

これも説明通りの製品です。完全に透明でトーンに色付けしません。Landau Boost を元に開発され、同じPCB を使っていますが機能面に若干の変更を加えています。ブースト機能はLandau Boost と同じですが、Boost がバイパスされるとボリュームコントロールとして使えます。(以下Landau Boost と同じ説明のため省略)


まとめ

私はAxis Wah のマーケティングにおいて嘘をつきました。ビジネスマンとして、自分の製品の真実について顧客へ説明する義務がありましたが、それを怠りました。さらに、Axis Wah への疑問が湧き上がる中も、私はそれがリブランド品であることを明かしませんでした。私はそれを隠すことで、友人や仲間、顧客、アーティスト、そして家族の名誉を汚したあげく、事実が明らかになった際もそれを認めませんでした。

私は正直に真実を話すことが自分にどれほどの衝撃を与えるのかを想像し、恐れや不安を感じました。私に弁解の余地は一切ありません。

これは私が人生を通じて葛藤してきたことでもあります。私はあなたが神や宇宙、カルマ、あらゆるドグマなどを通じて「目覚めろ」と呼びかけていることを感じ、最終的に私が「わかった」と思うために重要な何かを与えてくれました。

それは人生で最も厳しい経験だったとともに、「真実にグレーゾーンは存在しない」という人生で最も重要なレッスンでもありました。真実は常に100%真実であり、真実と嘘の間などというものは存在しないのです。

真実はすぐに人を満足させず、あるときは最悪な結果になったり、またあるときには良い方向に進まず、さらにはまったくだめな時もあります。しかし誠実さと真実の上だけが、自分が自由になれる場所だとわかりました。


今後について

これからの私はAxis Wah の購入者全員のために働きます。長く苦しい道のりになるでしょう。現在は資金の確保に動いており、Axis Wah という道徳的に誤った製品の購入者へ返金を開始できます。私は、自分が誰かに教えを請う必要があること、必死に働く必要があること、自分の振る舞いの核心を掴むこと、そしてこの問題をどう解決するのかを認識する必要があります。Axis Wah オーナーの皆様には、返金まで今しばらくの時間とご理解を頂けますと幸いです。

またVertex ケーブルのオーナーの方は、私がケーブルの供給元がベルデンで、ツイストペアではなく同軸ケーブルのために方向性もないことを説明しなかったことについて、遠慮せず連絡をください。

私の連絡先は:

電話: 510-863-0612
メール: mason@vertexeffects.com
スカイプ: vertexeffects

敬具

Mason Marangella


投稿 by Vertex Effects, Inc.

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