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2015/07/02

DOD Meatbox の復刻版は3000台限定で今夏発売、壁を揺らしスピーカーを飛ばす超低周波発生機


失われた名機/迷機の復刻を続ける米国のエフェクターブランドDOD が、今度はMeatbox Subsynth を現代に蘇らせます。

ベースやギター、シンセサイザー、ドラムマシンなどのサウンドへ地鳴りのような低音を加える、サブハーモニック・シンセサイザーペダルです。


(Image from America's Pedal)

オリジナルのMeat Box は、低音をブースト・カットするイコライザーと、35Hz の超低周波を発生するサブオクターバーをひとつにしたペダル。

数値ではピンと来ないかもしれませんが、エレキベースの4弦開放E が約41Hz で、EV の業務用18インチサブウーファーELX118 の周波数応答が35から200Hz (-10dB)といえば、どのような低音か想像できるでしょうか。

またドライ用とウェット用の2つの出力端子を備えるのは、適切なアンプやスピーカーに接続しないと満足に再生できないばかりか、最悪の場合はスピーカーを飛ばす可能性があるためです。

オリジナルの販売期間が1994年から97年と短く、基板の製造に至っては95年で終了しているのは、その特殊さ故に必然だったのかもしれません。

しかし不人気ペダルにはままある話ですが中古価格は高騰しており、海外のオークションでは数百ドルの値がつき、国内でも数万円で取引されています。


そんなマニア垂涎のMeatbox が、新たにアルミ筐体やトゥルーバイパス、明るいブルーLED などのモダンな仕様を身につけて復活します。

復刻版のツマミはOutput、Octave (超低音の量)、Low (低音EQ)、Sub (超低音EQ)の4つ。

それぞれオリジナルではLbs (ポンド=重量)、Meat (肉)、Flank (アバラ肉=カルビ)、Rump (腰から尻の肉)という、肉にちなんだ名前が付けられていました。

このパッと見では理解できないコントロール名は当時のDOD の特徴ですが、復刻版ではわかりやすく改められています。



また復刻版の出力は1つですがTRS 端子なので、Y ケーブルを使うことでドライ (Ring) とOctave + Sub (Tip) を個別に出力できます。

そのほかデザイン面では、ハエのステッカーが付属するオリジナルを踏襲し、フットスイッチ脇にハエが描かれています。



DOD Meatbox Sub Synth (2015) は今夏発売。希望小売価格は154ドル。

なお製造に必要なNOS IC チップの在庫が限られているため、復刻版Meatbox は3000台のみの限定販売となるようです。販売の際は早めに入手しておいたほうがよいかもしれません。

11月8日追記:国内では11月10日発売予定。実勢価格は税込2万6000円前後です。



またGonkulator、Meatbox と迷機の復刻が続くと、迷機中の迷機Buzz Box の復刻にも期待したくなりますが、今のところ予定はないようです。

しかし要望が多ければ検討するとのことなので、DOD にメールするとよいかもしれません。

DOD Gonkulator が復活、DigiTech Grunge ディストーションとリングモジュレーターをミックスして破壊的サウンドを放出



ちなみにDOD FX33 Buzz Box は、Melvins のギタリストBuzz Osborne のサウンドを目標に開発されたオクターブファズ/ディストーションペダル。FX32 Meat Box に続いて1994年に発売されました。

King Buzzo ことバズ氏はProCo RAT とMXR Blue Box を組み合わせて使っていますが、それを目指したBuzz Box は歪み回路にDigiTech Grunge を採用したこともあり、ドライブペダルの範囲をはるかに超えた、ノイズ発生器とでも言うべき壮絶なサウンドを放ちます。



DOD とバズ氏が正式にコラボレートしたペダルではありませんが、Buzz Box を弾いたBuzz 氏は「手がつけられないよ。俺のギターってこんなヒドいサウンドだっけ?開発者はイカレてるね。掃除機みたいなサウンドだ」(超意訳)と感想を述べています。



そんなバズ氏がフロントマンを務めるメルヴィンズは、1982年結成の米国のバンド。そのサウンドはNirvana など多くのバンドに影響を与え、グランジの始祖とも呼ばれています。

またカート・コバーンが高校生の頃、友人のバズ氏にもらったカセットテープでパンクに目覚めたというのは有名な話です。バス氏と出会わなければニルヴァーナは結成されなかったかもしれません。

ソース: DOD - Meatbox (2015)
参考: DOD News - Beef Up Your Bass! DigiTech Re-Issues Its DOD Meatbox Bass Subharmonic Synthesizer
神田商会 - DOD Meatbox
Reddit - We are DigiTech, makers of guitar pedals and effects processors. AUA! (DOD の中の人が今後の復刻などについて回答しています)
Pedals and Effects - Announcement! THE DOD MEATBOX IS BACK!
America's Pedal - FX32 Meat Box / FX33 Buzz Box
マルハチblog - DOD Meat Box / DOD Buzz Box
Club No.6 Blog - DOD Meat Box

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