米国のギター用品専門店StewMac が、木製のネックシムを販売しています。
ネックポケット全面を覆うメイプルの板で、ヘッド側からボディ側にかけて角度が付いており、ネックとボディを密着させつつブリッジや弦の高さを微調整できます。
ギター業界におけるシム(Shim = 詰め木)とは、ブリッジサドルに掛かる弦のテンションを稼ぐために、ネックのジョイント部分に挟む木の板や紙のこと。
たとえばジャズマスターの場合、サドルへのテンションを稼ぐには、ブリッジの高さを上げる必要があります。
その際にネックがボディに対して平行に付いていると、ブリッジを上げるにつれてハイフレットの弦高が急激に高くなってしまいます。
そこでシムを挟んでネックヒールの高さを上げることで、ネックが弦に対して平行になり、低い弦高を保ちつつテンションを稼ぐことが可能になります。
(上がシムなし、下がシムありの例)
なお角度をつけるだけなら、細いシムをネックポケットのボディ側にのみ挟むという手もあります。
その場合、薄めのシムならさほど問題はありませんが、厚めのシムの場合はジョイント部分に大きな隙間ができ、ネックがその隙間へネジで引っ張られることで変形する危険性が出てきます。
そのため大きめの角度を付ける場合は、ネックヒール全面を覆うタイプが安全です。
ちなみにジャズマスと似た構造のブリッジを備えるレスポールは、あらかじめネックに角度をつけて取り付けることで問題を回避しています。
StewMac のシムに話を戻すと、ラインナップはギター用とベース用があり、ともにネジ穴の有無を選択可能。
基本形状は丸みを帯びたラウンドヒール用ですが、テレキャスターのような平らなヒール用に、ヤスリで削る際の目印の線が入っています。
角度は0.25度(0.76mm~0.48mm)、0.5度(0.71mm~0.2mm)、1度(1.52mm~0.25mm)の3種類。カッコ内はボディ側からヘッド側にかけての厚さです。
価格は1枚6.95ドルで、6枚以上まとめ買いすると1枚あたり6.25ドル。セット販売もあります。発送は全世界に対応し、送料は重量で決まります。
StewMac はこの他にもピックアップワインダーやネック用のカーボン補強材など、一般の楽器店では見られないユニークな商品を豊富に取り揃えています。興味が湧いた方は下のリンクから公式サイトへどうぞ。
ソース: StewMac - Neck Shims for Guitar / Bass
参考: PremierGuitar.com - Guitar Shop 101: How to Shim a Bolt-On Neck
Squier-Talk - When, where and why...neck shim??
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