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2018/02/03

デヴィン・タウンゼンド「Axe-Fx で機材探しの旅は終わった」


1993年にスティーヴ・ヴァイのプロジェクトで鮮烈なデビューを果たして以来、独自の音楽性で精力的に活動を続けているデヴィン・タウンゼンド。

驚異的なシンガー、ソングライター、ギタリストでありつつ、YouTube でGearWhore* と題した動画シリーズを投稿するほどの機材好きでもあります。

(*直訳:機材売女。気になる機材を見たら簡単に股を開く的な意味?)

そんなデヴィンが、Fractal Audio Axe-Fx を愛用するに至った経緯について、Fractal 公式フォーラムで説明しました。

デヴィンのファンのみならず、すべての機材オタクにとって興味深い内容なので、翻訳してご紹介します。

1万字オーバーの長文記事なので、飲み物でも片手にご覧ください。




My guitar tone journey, by Devin Townsend.


やあみんな、デヴィン・タウンゼンドだよ。このフォーラムに参加して久しいけど、今回は俺がAxe-Fx をメインに使うようになった経緯をみんなに知ってもらおうと思う。

俺はキャリアを通じてサウンドの試行錯誤を続けてきた。でもここ10年ほど本気で取り組んだ結果、ついにゴールに辿り着くことができたんだ。

いくつかの素晴らしいアンプメーカーが忍耐強くサポートしてくれたことは、信じられないほど幸運な出来事だった。その手の話に関しては、俺は恵まれた立場にいるね。

俺がKemper に切り替えたことが、このフォーラムで話題になったこともあったね。

たしかにしばらくKemper を使っていたけど、最近のレコーディングやフラクタルとの仕事を経て、この宣言(訳注:Axe-Fx オンリー宣言)をしようと思ったんだ。

俺の(長い)物語は以下の通り:

まずつきつめると、俺には5つの基本サウンドが必要なんだ。

微妙に異なるバリエーションも使うけど、わかりやすくするために基本の5種類に絞るよ。

1:ドライ・クリーン

このサウンドは、主にリハーサル時にスタッフやメンバーへ曲を説明するために使う。

エフェクターは使わず、広大なヘッドルームを備え、ハムバッカーと相性がよく、低域もしっかりある。

演奏の間に、音量の大小を問わず、明瞭かつクリーンなサウンドで曲のパーツを説明することは、俺にとって重要なんだ。

またこのセッティングは、前段をブーストすることでAC/DC 的なサウンドを得ることもできる。

2:ウェット・クリーン

このサウンドはKi の製作中に使い始め、Casualties Of Cool の製作時に進化した。俺はフェンダーのクリーンサウンドの虜になっていたんだ。

このサウンドを作っていた頃は、フェンダーのチャンプ、ヴィンテージのツイン、ヴァイブロキング、EC デラックス、1958年製チャンプ、シルバーフェイスのチャンプ、ヴィクトリアのベースマン、Carr、Divided By 13 などを持っていた。

基本的にはオープンバックの小さなアンプ(後に大型アンプも試したけど)で、バランスの取れたクリーンサウンドと、はずむような高域、そしてシングルコイルのギターでもコンプレッションされすぎず、ノイズも少なく、タッチに敏感に反応するものだね。

同時に膨大な数のエフェクターをステレオで使い始めた。アナログディレイを深いリヴァーブに突っ込み、そこへエクスプレッションペダルで掛かりを調節できるピンポンディレイを組み合わせたりね。

またこのサウンドではワウとオーバードライブも使う。(俺のワウはすべてのサウンドで共通で、音質的にはクライベイビーが好みなんだけど、足を載せたら自動でオンになる機能が必要なんだ。だからあえて低品質なワウを使ってる)

3:ドライ・クランチ

エフェクトなしのヘヴィーサウンド。昔からパワー管にEL34 を載せたメサブギーのデュアルレクチファイアーと、クリーンブーストに設定したMaxon OD808、そしてオレンジチャンネルのモダンとヴィンテージの間ぐらいの設定が好きなんだ。

ノイズ対策にはDecimeter。サウンドを殺さずにノイズだけを消してくれる。このサウンドではゲートを狭めにしてて、ワウとオーバードライブも使ってるよ。

Celestion Vintage 30 を載せた4発キャビネットとの相性もいい。

4:ウェット・クランチ

これが俺のメインサウンド。基本はドライ・クランチと同じだけど、Ocean Machine の頃に作った、いまや骨董品と言えるRoland GP100* のパッチを組み合わせてる。

(*訳注:ローランドが1995年に発売したラック型のプリアンプ/マルチエフェクター。オーシャンマシーンは1997年発売)

はじめの頃は色々なスプリッターを使って2種類のサウンドを同時に鳴らしてたんだけど、いつもグランドループや位相の問題に悩まされていた。

このサウンドとクリーンを組み合わせて、DRY / WET / WET というセッティングにしていたんだ。

(俺はこのセッティングと、それを基にレシオを逆にしたセッティングをペダルボードに入れてた。イントロ用にね。基本はGP100 と静かなディストーションのコンビ)

このパッチでもワウは使ってる。またプリアンプの後ろにヴォリュームペダルを入れて、ドライ信号を消してエフェクト音のみを残せるようにしてるんだ。オーバードライブもオンオフできるようになってるよ。

5:リード

中域と超高域を強調したサウンドで、ゲインも高め。ドライサウンドにエコーとGP100 のパッチをミックスしてる。ワウとワーミーも使ってるよ。


とまあこんな感じかな...シンプルだよね?でも何年も取り組んできた割に、問題も多かったんだ。

俺が求めるものと、直面してきた問題をまとめるとこんな感じ。

  • 破壊的なメタルトーンと、美しく輝くオープンバックのクリーントーンを兼ね備えるアンプ
  • シームレスなチャンネル切替
  • クリーンとGP100 を行き来する際にエフェクトが切れないこと
  • FOH* とインイヤーモニターのサウンドが同じかつ高品質であること
  • グランドループが発生しないこと
  • 2台のアンプを使っても位相問題が発生しないこと
  • スタジオとライブのサウンドを同じにする
  • ツアーに耐えられる丈夫さ
  • MIDI スイッチング
  • ライブのバックアップ
  • 世界中に持ち運べる、またはどこでも入手できること
  • ステージにスピーカーキャビネットを置く
  • エフェクト:足を載せると自動でオンになるワウとワーミー、オーバードライブ、プリアンプ後のボリュームペダル、クリーンエフェクト用のエクスプレッションペダル
  • 将来性があること

(*訳注:Front Of House の略。ライブのミキサーのこと)



俺のトーン・クエストは超ファンキーな道のりだった:

オーシャン・マシーンから「気」にかけては(訳注:1997年から2009年)、2台のPeavey 5150と、EMG 81を載せたESP のテレキャスターとエクスプローラー、Moley Bad Horsey Wah、そしてギターの信号をGP100 に分配するためのクソみたいなA/B ボックスを大量に使ってた。

ステージにはスピーカーキャビネットとウェッジスピーカーもあって、クリーンサウンドは無し。

ざっくり言うと、この頃の機材はノイズまみれで不安定なサウンド4(ウェット・クランチ)だね。

2002年には5150をEL34 のデュアルレクチに変えて、クリーンブーストを組み合わせてた。大好きなセットアップだったね。

2009年の機材は、アンプがメサのデュアルレクチ+ブースターとStiletto。それを2台の4発キャビに繋いで同時に鳴らしてた。クリーンはフェンダーのツイード・ツイン。

巨大なペダルボードとアンプはRJM のスイッチャーでMIDI コントロール。メサとフェンダーはRadial のペダルで切り替えていた。

さらに16U のラックには、リヴァーブ、ディレイ、ゲート、アンプシミュレーターなどが詰め込まれ、足元にはエクスプレッションペダル、ボリュームペダル、ワーミー、ワウが並ぶ。

配線は悪夢で、機材はバカみたいにデカい。音は良かったものの、位相やグランドの問題で頭がおかしくなりそうだった。

加えてマイクで拾ったサウンドは、室内で録ったものよりも劣っていた。そのうえ搬入時などに壊れたりして、困ることも多かったんだ。

信頼性は皆無だったし、原因を探すのは牧草の山から針を見つけるようなものだった...ラックと古いフェンダーのアンプの間にグランドノイズが発生したとき、俺は解決策を見つけられなかった。トラブル発生機のような状態だったんだ。



Axe-FX Standard とUltra を紹介されたのはこの頃で、実際に買って試してみた。

気に入ったしアイデアも良かったけど、自分がこれまで鳴らしてきた獰猛なサウンドと較べると、おもちゃに毛が生えた程度のように感じたんだ。

でもクリーン用のエフェクトは使えると思ったから、Eventide の空間系を売って配線をシンプルにし、心配事を減らすことができた。

そしてツアーが始まり、ありとあらゆる組み合わせを試した...はじめはウルトラをメサのパワーアンプに入れて、そこから2台のピーヴィーのキャビとウェッジにつないでみたんだ。

4CM* も試したけど、最終的に2台のウルトラとラディアルのスイッチャー、そして2台のGP100 というシンプルなセットアップに落ち着いた。

(*訳注:4 Cable Method の略。1台のマルチエフェクターをアンプの前とエフェクトループの両方につなぎ、マルチ内の歪み系をアンプの前に、空間系をループに入れること。4CM 対応のマルチとエフェクトループ付きのアンプが必要。呼称はケーブルを4本使うことから)

このシステムは冗長性も確保できて使い勝手も良かった。音作りに丸一週間を費やした結果、実際に良いサウンドができたけど、俺が慣れ親しんだ迫力あるサウンドからは程遠く、さらには楽器側の問題も明らかになった。

というのもAxe はギターのピックアップに超敏感で、単純なアクティブPU では理想のクリーンサウンドが得られないことがわかったんだ。

そして俺自身がアンプについて無知であることも思い知らされた...俺の理想のサウンドは超具体的かつ超独特で、プリセットの中に満足できるものは皆無だったし、かといって自分で作ろうとするとあっという間に迷路に入り込み、とてつもなく酷いサウンドを生み出してしまうんだ。

大量のキャビネットとアンプモデルが入ってるけど、気に入るものはひとつもない...イコライザーやコンプレッサー、ローカット機能などを試し、実際にツアーで使ってみたりもしたけど、心から満足することはなかった。ライブでミキサーに直結してもダメだったんだ。



このとき俺は、長年に渡り本物のアンプを弾き続けた結果、自分の頭の中で鳴っているサウンドを(訳注:デジタル機材で)再現する方法を知らないことに気付きはじめた。

そしてそれ以前に、自分が本当に欲しいサウンドすら分かっていないということもね...

GP100 は限界が近づきつつあり、音質は悪くなる一方で、入力端子は外れ、ノブも壊れた。

しかしツアーのサイクルは維持しなければならないし、Deconstruction* とGhost* の製作も控えていた。

(*訳注:2011年に同時発売されたアルバム)

そこで俺は深呼吸し、Axe-Fx をより深く理解しようと努力した。理想のサウンドを完璧に鳴らすことはできないけど、あらゆることを1台でこなすという夢のような機材だからね...

そこでレコーディングの際に、ダイレクト録音にこだわることにした。そうすることで現実的な目標が設定され、理想のサウンドにも近づけると思ったんだ。

Deconstruction とGhost は、Axe-Fx のみで録音した初めてのアルバムで、サウンドもそこそこ良かった。

とはいえ完璧ではなかったし、まだGP100 も使っているけど、間違いなく悪くはなかった...実際のところ、間違いなく過去の大半の作品より良かったよ。

俺はバンドのギタリストのデイヴを説得してAxe を買わせ、Epicloud* のためにクールなサウンドを作るべく取り組んだ。

(*訳注:2012年発売のアルバム)

サウンドはどんどん良くなり、俺達はEpicloud を俺のガレージと彼の家でレコーディングした。

そしてナイスなスタジオでミックスしたとき、エンジニアが「いい音だけどスピーカーキャビネットの存在感が欲しいね」と言ったことを、今でも憶えているよ。



Epicloud の後、俺は一息つくことにした。たぶんストレスが溜まっていたんだと思うけど、「よりシンプル」なアンプとペダルに戻ろうと思ったんだ。

そこでレクチや巨大なペダルボード、スピーカーキャビネット、RJM のスイッチャー、ミキサーへ接続するためのRadial JDI (むかし使っていたんだ) なんかを引っ張り出してきた。

あとAxe-Fx も収納できる、ファンシーなアンプヘッド用のラックも作ったよ。

そしてありがたいことに、この頃にはFractal とオープンな関係を築けていたから、彼らに「いい線いってるけどもう少しだね」とか言うこともできた。

...一方で同じ頃、Fractal のMatt Picone がGP100 を分析して、完璧ではないものの驚異的に良いサウンドを作ってくれたんだ。そのおかげでGP100 をツアーから引退させることができた。

そして運命のイタズラか、ライブ中に俺のペダルボードがクレイジーな問題に見舞われるようになる。

しかたなくそのボードは諦めて、超質素かつ不便なシステムでしのぐことにしたんだけど、真冬のツアーだったためか今度はアンプが死亡。

壊れたのはバックアップ用のレクチで、真空管とかあらゆる部分が壊れてた。

このツアーを始めた頃はレクチを使ってて、後に6165(訳注:6505のタイポ?)に変えたんだけど、両方ともとにかく酷いサウンドだったんだ。

ようやく自分のサウンドの特徴を掴みつつあったのに、今度は故障という壁にぶち当たってしまったというわけさ。



あと細かいところでは、なぜかアンプのボリュームが最大になっていて、サウンドチェックのないライブだったら爆音を鳴らすはめになっていたこともあった。

(ステージにキャビがあったほうがいいということに気づけはしたけどね...)

ツアーが終わってからレクチを見たら、落下して付いたと思われる大きな傷があったんだ。

それが故障の原因なのは明らかだったけど、息つく暇もないツアーだったし、誰も気づかなかったんだろうね。

そんなこんなで、ふたたび俺は音作りに取り掛かった。あのツアーで経験した大惨事からは、ツアー用の「究極の機材」は、レコーディング用のそれとは別物ということを学んだよ。

それに航空会社の重量制限は厳しくなる一方で、少しでも超過するととんでもない追加料金を払わなきゃいけなくなるしね。

家に帰ってAxe-Fx のファームウェアをアップデートすると、まずクリーンサウンドが素晴らしく進化していることに気づいた。

またエフェクトとキャビは奥行きを増し、本当に満足できるサウンドになっていたんだ。

この時点で、Axe が普通のアンプでは到達できない高みに到達しつつあることを確信したよ。

Framus とFishman と手を組んでシグネチャーモデルを開発し始めたのもこの頃だった。

俺の「2つの要素を1つの楽器にまとめる」という要求を満たすとともに、デジタル機材にも対応できることを目指して開発したんだ。

しかしAxe のクランチサウンドには、心を動かすものを感じなかった。



その頃、何人もの友人がkemper について教えてくれた。クランチサウンドの素晴らしさや、自分のアンプをプロファイリングできること、そしてパワーアンプ搭載モデルもあることとかをね。

そこで実際に購入して、友達からプロファイルを貰ったり、ダイレクト出力からAxe-Fx に繋いだり、ペダルボードと繋いだりしてみたところ...素晴らしいサウンドだったんだ。

この組み合わせは間違いなくアリだと思った。そこで俺は余計なペダルを取り除き、各パッチのエクスプレッションペダルにワウやワーミーを割り当て、ステージ上のパソコンからMIDI CC とPC を送ることで、ペダルの操作を自動化してみたんだ。

このシステムの良いところは:
  • ローノイズ
  • 良質なクリーンをフラクタルから、良質な歪みをケンパーから得られる
  • トラブルの心配が最小化できる
  • ライブとレコーディングで同じサウンドが鳴らせる
  • ステージ上にスピーカーキャビネットを置ける

問題点は:
  • ディストーションサウンドは良いものの、低域の存在感が寂しい。
これはEQ ではなく「深み」の問題なんだ。ケンパーのサウンドには本当に満足しているけど...メサではない。一緒に働いたサウンドマンも同じことを言っていたよ。

(後にケンパーから貰った新しいプロファイルは超最高だった。しかし2つのシステム* を同時に使うのは、現時点の自分の目的から考えると非効率的だと思う)

(*訳注:Axe とKemper)

もしケンパーがより多くのエフェクトを搭載したら検討したかもしれないし、逆にAxe が新しいアルゴリズムのクランチサウンドを搭載したら理想的なんだけどね。

(この物足りなさは、そもそも自分が求めるものを理解していないことが原因であると、後に気付くことになる)

  • バックアップ機材、電源、ワイヤレスなどを合わせると12U のラックが必要になる。これは飛行機移動を考えると効率的ではない。
  • ギターだけならいい音だが、バンドに混ざるとイマイチ



とはいえ気に入ってはいたよ。このセットアップで何年もツアーをしたし、その後ケンパーはホームスタジオで活躍してる。

プロファイリングアンプというケンパーの試みは素晴らしいし、弾き心地も最高さ。

...ただやっぱりメサではないんだ。

そこで俺はTorpedo* と手を組み、彼らのために自分のメサのキャビのIR を作った。

(*訳注:仏Two Notes 社のキャビネットシミュレーター)

同時にケンパー用のIR も作ったんだけど、両方ともサウンドの奥行きが少々物足りなかったね。

Torpedo は素晴らしい機材だけど、良い意味で予測不可能なアンプの動作が均一化されてしまうことに加えて、配線の増加、ダイレクト音、可搬性といった点を考慮する必要がある。

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そして今から2か月ほど前に、この結論(訳注:Axe-Fx オンリー)に辿り着いた。

ちょうど新作の制作に取り掛かってるんだけど、サウンドは大幅に進化したよ。最先端の機材を使い、俺のレコーディング技術も飛躍的に向上してる。

またツアー中に少々物足りなさを感じていたAxe-Fx には、最新ファームウェアを適用した。

フラクタルがメタリカとの仕事で学んだことが還元され*、とてつもない進化を遂げているね。

(*訳注:ここ最近のメタリカは、ツアーではAxe-Fx とMatrix のパワーアンプを使っています)



Axe-Fx ではChopTones のパッチを多用してる。

そこに新しいファームウェアと微調整を加えると、クリーンと(フィッシュマンと共同開発したTranscendence ピックアップを使った)超ハイゲイン、そしてその中間と、あらゆるサウンドが得られるんだ。その音質には俺もサウンドマンもブッ飛ばされたよ。

X/Y 機能はチャンネル切替の悩みを解決してくれた。2台のAxe-Fx を収めた4U のラックと、それをコントロールするMFC フットスイッチというシステムは、世界中どこにでも持っていける可搬性と、万が一のバックアップという冗長性を兼ね備えている。

ステージ上のサウンドについては、色々なキャビとパワーアンプを試した結果、3台の高品質なパワードスピーカーと、トラブル発生時に2台のAxe-Fx を切り替えるラディアルの自動スイッチャーに落ち着いた。

ギター用のキャビネットはクールだけど、苦労して作り上げたサウンドが変わってしまうんだ。

エフェクト用にはQSC のモニタースピーカーを2台購入して使ってる。ドライ用には借り物のMeyer のウェッジ*(今のところは価格的に手が出せないけど、いつかは...コイツはマジでヤバイ!)

(*訳注:Meyer Sound のウェッジ/フロアモニターはメタリカなども愛用中。数千ドルとなかなか高価です)

俺のスタジオ、練習、ライブの機材はすべて同じ。サウンドをアップデートしたら、Sysx ファイルをメールに添付して自分宛てに送り、リハーサルスペースのラックの上に置いてある、Axe Edit 専用の古いノートPC でダウンロードするんだ。

俺にとって完璧なシステムだし、常に進化を続けている。

最近のレコーディングでは、1台のAxe-Fx をAES 経由で接続して使ってる。超低ノイズなうえ、モニター上のAxe Edit でリアルタイムに操作できるんだ。

これでベースも録るし、エフェクトもアンプもバカみたいに最高なサウンドさ...それに彼ら(訳注:Fractal)は進化に命をかけてる...つまり未来は明るいってことだね。



多くのアンプメーカーと仕事をしてきたけど、最終的にAxe-Fx II XL+ が俺にとって唯一の機材となった。

他の会社へのリスペクトを示すために、これまでにもらった機材はすべて返したよ。彼らが悪く思っていないといいんだけどね。

このトーン・クエストは、俺にとってベストな機材を探す旅だった。だから他の人には合わない可能性も十分にある。

またビジネスの面でも賢明な判断ではないね。最近2つのアンプメーカーからシグネチャーモデルの話をもらったんだけど、Axe-Fx を使うと決めたから断ったんだ。

他のデジタルモデラーを退けてAxe を選んだ理由を説明するとこんな感じかな:

「アナログ機材のサウンドをデジタルで再現するのは、木の枝を並べて円を作るようなもの」

他の機材が1本から200本の枝を使うのに対し、Axe は1000本の枝を使えるんだ。

結果としてAxe の方がなめらかな円を作れるし、同時に大量のエフェクトも使える。

完璧に使いこなすには時間と忍耐が必要だけど、学べば学ぶほど応えてくれる機材だよ。



この投稿が、俺が使っている機材を明確にするとともに、長きに渡る試行錯誤を伝える内容になっていることを願うよ。

色々と実験して周りの人を困らせているときはもちろん、うまくいっているときでさえ、信頼関係を維持するのは難しかったりする。

俺の求めるものは明確で、他の人とは異なると思う。もちろんケンパーやメサを否定しているわけじゃないよ。

両方ともワールドクラスの会社による素晴らしい機材で、ユーザーは誇りを持って使うべきだ。

しかし俺が出した結論はこれで、この決断に誇りを持ってコミットしてる。

この長い道のりは、完璧なサウンドを得るために必要なものだった。そしてそれは俺にとってとてつもなく重要なものなんだ。

俺の愛機は:

Framus Guitars
Fishman Pickups
D'Addario strings
Fractal Axe-Fx

One Rig to rule them all =)
(意訳:すべてをこなす究極の機材 & 笑顔)

Dev



翻訳は以上です。

デヴィンの言葉を要約すると、機材選びにおいて重要なのは、まず自分の求めるサウンドをしっかりと理解すること。

そして気になる機材は実際に入手し、徹底的に使い倒すことも重要です。

また音質は好みの問題であり、地球上の全ギタリストが認める「良い音」や「悪い音」は存在しません。

デヴィンがフラクタルを選んだのも、機能と音質がニーズに合致したからであり、ケンパーやレクチが劣っているわけではありません。

周りの評価を絶対視せず、自分の物差しで判断することが大切です。



デヴィンのトーンクエストの結晶は、Premier Guitar が先月公開したインタビュー動画で確認できます。

写真付きの解説記事も公開されていますので、興味の湧いた方は下の参考リンクへどうぞ。

なお本記事の原文は2017年11月15日に投稿されていますが、それから2か月も経たない2018年1月29日に、Axe-Fx II の後継となるAxe-Fx III が発表されました。

これについてデヴィンは「NAMM が終わったと思ったら、こんなメッセージが届いたんだけど?!俺の機材脳がオーバーロードしたよ。今いちばん試したい機材だね」とコメントしています。


彼の機材探しの旅は、終わるどころかまだまだ続きそうです。

ソース
Fractal Audio Forum - My Journey To Fractal - By Devin Townsend
参考
Fractal Audio (Facebook)
HevyDevy.com
ChopTones
Premier Guitar - Rig Rundown: Devin Townsend
サウンドハウス - Fractal Audio Systems 一覧

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