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2018/02/27

Vertex Effects、偽物のダンブルを本物と言って製品デモに使った疑惑が浮上


世界中のギタリストを驚かせたVertex 事件から早3年。事業の継続が危ぶまれる中、しぶとく生き残ってきた同社ですが、またまた周囲が騒がしくなってきました。

事は同社の新製品Ultraphonix のデモ動画が公開されたことに始まります。

このペダルは「ダンブルアンプにインスパイア」されていることが売りで、動画は市場価格10万ドル(約1070万円)の本物のダンブルと、定価199ドル(約2万1300円)のUltraphonix を比較し、どちらがアンプでどちらがペダルかを視聴者に問いかる内容になっています。

しかし動画のコメント欄が視聴者からの回答で盛り上がる中、海外のギターフォーラムでは、動画のダンブルが偽物なのではないかという疑惑が浮上。

またもヴァーテックスに疑いの目が向けられることとなりました。




偽物説が出てきた理由は、動画で使われているダンブルがシリアルナンバー97のヘッドなのに対し、昔のギター雑誌に掲載された同じシリアルのダンブルがコンボだったため。

コンボをヘッドに改造した可能性も考えられますが、本体背面のダンブルロゴのフォントが異なることや、コンボのロゴがすべて大文字なのに対し、ヘッドは大文字と小文字が混ざっていることなどから、偽物疑惑が高まります。

(左端がVertex のデモ個体、右3つがオリジナル)

さらにフォーラムへ、「数年前にダンブルのシャーシのクローンが出回ったことがあり、それを使って組んだのが動画の個体ではないか」というコメントが投稿されると、ついには動画のコメント欄に突撃する人まで出現します。

次々と現れる突撃者に対し、はじめのうちはコメントの削除で対抗するバーテックスですが、延々と続く削除作業に疲れたのか対応を開始。

「オリジナルの097はコンボで、ビーチ・ボーイズのマーク・ウィルソンが所有していたと雑誌に書かれている」「この動画で使われているダンブルは偽物だ。道徳的に考えて、この会社をサポートすべきではない」というコメントに対し、「このアンプの信憑性がお気に召さないなら、別のセレブが所有していたシリアル010のダンブルとの比較動画をどうぞ」と回答します。

アンプの真偽に触れないばかりか、新しいデモ動画を紹介するという、なかなか理解に苦しむコメントです。

とはいえ本物であるならばそう言えば済む話なので、回答を避けるということは、偽物であると認めているとも受け取れます。


なおバーテックスによると、動画のアンプは友人のダンブルコレクターから借りたものとのことです。

そのため仮にアンプが偽物なら、バーテックスが友人に騙された可能性もありますし、その友人も誰かに騙されて購入した可能性も考えられるので、その場合は両名ともに被害者でもあります。

また仮に偽物だとしても、回路が同じならサウンドも同じなので、デモやペダルの信憑性には問題がないという意見もあるかもしれません。

しかしこの件で本当に問われているのは、バーテックスという会社の姿勢です。

アンプの真偽がわからないなら素直に認め、偽物と知っていたなら謝罪する。

3年前の事件は、そういった誠実な姿勢が無かったために大炎上しました。

あの事件で多くの人を騙し傷つけたことを反省し、ユーザーへ誠実に向き合うことを期待された同社とメイソン氏ですが、残念ながらその思いは届かなかったようです。

参考リンク
Vertex Effects - Ultraphonix
The Gear Page - Vertex's Dumble pedal #434
GearTunes - Dumble Overdrive Special #97

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