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2022/03/13

エレハモ社長「真空管業界は世界規模で混乱中 JJ は新型コロナの影響で納期半年 曙光電子は移転で操業停止」

 


ギターやオーディオ業界を騒然とさせている、ロシアによる真空管の輸出禁止。しかし実はその前から、真空管業界は危機的状況にあったようです。

世界最大級の真空管製造メーカーであるエレクトロハーモニクス。

その創業者であるマイク・マシューズ氏によると、新型コロナウイルスの影響で真空管の製造に必要な部品が入手しづらくなった結果、スロバキアの大手製造会社JJ Electronics は、納期が従来の1か月から6か月へと長期化。

また同じく大手の中国Shuguang (曙光電子)は、工場移転のため操業停止中。

世界3大メーカーのうち2つに問題が発生した結果、エレハモには世界中からとてつもない量の注文が殺到しており、工場はフル稼働状態が続いているとのことです。

なおこのマシューズ氏の発言は、2021年8月に、海外のギター系ニュースサイトに掲載されたものです。

そしてこの発言から約半年後の2022年3月、ロシアが真空管の輸出を禁止します。

つまり現時点で新品の真空管を世界に供給できるのはJJ Electronics のみということになりますが、そのJJ も前述の通りコロナの影響で安定した製造が難しい状況です。

ではこの大混乱の影響を最も大きく受けるのは誰か?と考えてみると、おそらく真空管アンプメーカーではないかと思われます。

フェンダーはギターというもうひとつの柱があるので持ちこたえられそうですが、マーシャルやメサブギー、VOX、オレンジ、ボグナー、フリードマンなどなど、ほぼアンプ専業のメーカーにとっては、最重要部品である真空管が手に入らないという、まさに危機的状況です。

また真空管の販売店や、アンプのリペアショップ、そしてユーザーにとっても大きな問題になります。

筆者のような日本在住の1ユーザーとしては、巷に大量に溢れている日本製のヴィンテージ真空管に手を出すという選択肢もありますが、メーカーはそうはいきません。

この状況が長期化し、新品の真空管アンプが希少品になってしまうような未来は避けたいところです。

そのためにもロシアがただちにウクライナから撤退し、平和な日常が戻ってくることを願ってやみません。


ソース

Guitar.com - “THERE IS A WORLDWIDE PANIC ON AVAILABILITY OF VACUUM TUBES”: EHX’S MIKE MATTHEWS ON THE MURKY FUTURE OF VALVE AMPS

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ロシアが真空管の輸出を禁止、エレハモ系の真空管が入手不可能に


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ロシアが真空管の輸出を禁止、エレハモ系の真空管が入手不可能に(更新:輸出解禁)

 


ロシアが真空管の輸出を禁止したことがわかりました。ロシアに真空管の製造工場を持つエレクトロハーモニクスによると、同国は2022年3月10日に、約200品目において輸出を禁止すると宣言。その中に真空管も含まれているとのことです。期間は2022年末まで。

エレハモが製造している真空管ブランドは以下の7つ。少なくとも年内はこれらすべてが入手できなくなります。

  • Electro-Harmonix
  • Electro-Harmonix Gold
  • Sovtek
  • Tung-Sol
  • Mullard
  • Svetlana
  • Genalex Gold Lion

エレハモ以外に真空管の大規模な製造設備を所有しているのは、スロバキアのJJ Electronic と中国の曙光電子(Shuguang)の2つ。

この2社でエレハモの不足分をまかなえるかは不透明なうえ、JJ の本社があるスロバキアはウクライナと国境を接する隣国です。

そのため今後アンプメーカーにとっては商品の製造に影響が出てくるかもしれませんし、また真空管アンプのユーザーにとってもメンテナンスの面で不安が募る状況と言えます。

一刻も早くプーチンがウクライナから手を引き、平和な状況に戻ることを願うばかりです。

2022年3月17日追記:ロシアが真空管の輸出を解禁しました。

エレハモによると、新規注文の受付と真空管の製造を再開し、4月から出荷できるよう取り組むとしています。

なお同時にエレハモは、現在の世界経済の状況を鑑み、真空管の卸価格を値上するとも述べています。対象は新規と過去の注文の両方です。

加えてロシアへの経済制裁として、ロシアで製造された品物への関税を上昇させている国が増えており、それらの国では関税分でさらなる価格の上昇が見込まれます。

そのため、これまでロシアで製造された真空管はニューヨークのエレハモの倉庫へ送られ、そこから各国へ発送されていましたが、今後はロシアの倉庫から自分の国へ直接送ることを検討するよう述べています。

そうすることで米国と最終到着国の2回、関税がかかることを回避できます。

特に総額3000ドル以上の大量注文をする場合は、ロシアからの直接仕入れを推奨するとのことです。

なお価格の上昇を理由に注文のキャンセルも可能ですが、とてつもない量のバックオーダーを抱えているため、おすすめはできないとしています。


とりあえずロシア製の真空管が市場から消えることはなさそうで一安心ですが、当面は入荷が不安定かつ、価格の上昇も確定です。

買い占めや転売は言語道断ですが、必要な分の備蓄はしておいたほうが良いかもしれません。

ソース

参考リンク

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