ページ

2022/03/13

ロシアが真空管の輸出を禁止、エレハモ系の真空管が入手不可能に(更新:輸出解禁)

 


ロシアが真空管の輸出を禁止したことがわかりました。ロシアに真空管の製造工場を持つエレクトロハーモニクスによると、同国は2022年3月10日に、約200品目において輸出を禁止すると宣言。その中に真空管も含まれているとのことです。期間は2022年末まで。

エレハモが製造している真空管ブランドは以下の7つ。少なくとも年内はこれらすべてが入手できなくなります。

  • Electro-Harmonix
  • Electro-Harmonix Gold
  • Sovtek
  • Tung-Sol
  • Mullard
  • Svetlana
  • Genalex Gold Lion

エレハモ以外に真空管の大規模な製造設備を所有しているのは、スロバキアのJJ Electronic と中国の曙光電子(Shuguang)の2つ。

この2社でエレハモの不足分をまかなえるかは不透明なうえ、JJ の本社があるスロバキアはウクライナと国境を接する隣国です。

そのため今後アンプメーカーにとっては商品の製造に影響が出てくるかもしれませんし、また真空管アンプのユーザーにとってもメンテナンスの面で不安が募る状況と言えます。

一刻も早くプーチンがウクライナから手を引き、平和な状況に戻ることを願うばかりです。

2022年3月17日追記:ロシアが真空管の輸出を解禁しました。

エレハモによると、新規注文の受付と真空管の製造を再開し、4月から出荷できるよう取り組むとしています。

なお同時にエレハモは、現在の世界経済の状況を鑑み、真空管の卸価格を値上するとも述べています。対象は新規と過去の注文の両方です。

加えてロシアへの経済制裁として、ロシアで製造された品物への関税を上昇させている国が増えており、それらの国では関税分でさらなる価格の上昇が見込まれます。

そのため、これまでロシアで製造された真空管はニューヨークのエレハモの倉庫へ送られ、そこから各国へ発送されていましたが、今後はロシアの倉庫から自分の国へ直接送ることを検討するよう述べています。

そうすることで米国と最終到着国の2回、関税がかかることを回避できます。

特に総額3000ドル以上の大量注文をする場合は、ロシアからの直接仕入れを推奨するとのことです。

なお価格の上昇を理由に注文のキャンセルも可能ですが、とてつもない量のバックオーダーを抱えているため、おすすめはできないとしています。


とりあえずロシア製の真空管が市場から消えることはなさそうで一安心ですが、当面は入荷が不安定かつ、価格の上昇も確定です。

買い占めや転売は言語道断ですが、必要な分の備蓄はしておいたほうが良いかもしれません。

ソース

参考リンク

関連記事



ブログの更新情報はTwitterFacebookでお知らせしています。

1 件のコメント:

  1. これって欧米による制裁への対抗になるのか? 外貨が入って来なくて困るのはロシアのほうだろ。せっかくルーブルが激安になって輸出競争力が激増しているというのに。

    返信削除

関連コンテンツ