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2015/06/08

AMT Pangaea CP-100 発売、手のひらサイズのハードウェアIR プレイヤー / キャビネットシミュレーター


ロシアのエフェクター/アンプメーカーAMT Electronics が、ハードウェアIR プレイヤーPangaea CP-100 を発売しました。

最大100個のIR ファイルを保存・呼び出しできる、手のひらサイズのスピーカーキャビネットシミュレーターです。



ギター業界におけるIR (Impulse Response、インパルス・レスポンス)とは、スピーカーキャビネットの入力信号に対する反応を測定したデータのこと。

主にPC 用のアンプシミュレータソフトとともに使われるほか、CP-100 のようなハードウェア型プレイヤーとプリアンプペダルを組み合わせることで、コンパクトな機材でリアルなアンプサウンドを鳴らすことが可能になります。


CP-100 の入力端子は、プリアンプに加えてアンプのスピーカー出力にも対応するInput と、MP3 プレイヤーなどを接続できるAUX の2つ。Input への入力レベルはアッテネータースイッチで調節可能です。

出力端子も2つあり、Output からはIR 適用後のサウンドを、Thuru からは入力信号をそのまま出力します。

またOutput の出力信号は、ヘッドフォン(ステレオ)、ライン(ステレオ)、バランス(モノラル)の3種類から選択できます。

これらの入出力を活用し、ステージ上ではThuru につないだキャビネットをモニター専用に使い、客席へはキャビネットシミュレータを通ったサウンドをPA 経由で届ける、といったことも可能です。

なおCP-100 にダミーロード機能はないので、パワー部に真空管を採用するアンプと組み合わせる場合は、必ずThuru 端子にスピーカーキャビネットやダミーロードをつなぐ必要があります。


IR の保存に専用ソフトは不要。CP-100 をPC につなぐとPANGAEA_MINI というUSB ディスクとして認識されます。

PANGAEA_MINI の中には0から9の番号がふられたBank フォルダと、その中に同じく0から9のPreset フォルダがあり、そこにIR を保存することで使用可能になります。

保存したIR は本体のボタンで選択できるほか、EQ / 音量 / ROOM エフェクトの調節も可能です。


その他の主な仕様は、対応するIR ファイル形式がWAV (24-bits、48kS/秒)。レイテンシー1.2ミリ秒。IR File Truncation は20.5ミリ秒。

電源は12VDC /100mA。寸法と重さは30 x 43 x 96mm、180g。

AMT Electronics Pangaea CP-100 は直販価格240ドルで販売中。今のところ国内代理店モントルーのサイトには未掲載です。

なお競合製品としては、フランスTwo Notes のTorpedo シリーズや米国Lodigy のEPSi があります。


フロアペダル型のTwo Notes Torpedo C.A.B. はフットスイッチでプリセットを切り替えられますが、アンプのスピーカー出力とは接続できません。


ラック型のTorpedo Live は100W までのダミーロード機能を備え、キャビネットを繋がずにチューブアンプを使えます。


Lodigy EPSi はスピーカーキャビネット用とリバーブ用の2種類のファームウェアがあり、IR はSD カード経由で読み込みます。

直販価格は199.95ドル。今のところ国内代理店はありません。

ソース: AMT Electronics / AMT Store
参考: Lodigy
日本エレクトロハーモニックス - Two Notes
Montreux - AMT Electronics
Ableton - 空間とサウンドの関係: Convolution Reverb用のインパルスレスポンスの収集

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