コンパクトフェイザーの定番と言えるMXR Phase 90。現行製品にはいくつかの種類がありますが、その中でも大量に出回っていて中古で安価に手に入る通称ブロックロゴモデルを、よりオリジナルに忠実なスクリプトロゴ(筆記体ロゴ)モデルに近づける改造をご紹介します。
海外では通称R28 Mod として知られるこの改造は、ハンダ作業が不要という手軽さと、ブロックロゴモデルに顕著なエフェクトオン時のボリュームブーストを低減できることから、定番Mod として広く知られています。
作業内容は、上の画像で赤く囲まれたR28 の抵抗の片足をカットするのみ。これはスクリプトロゴのPhase 90 には存在しない、中域ブースト用の抵抗です。
この改造によって、より自然なフェイズサウンドが得られるとともに音量アップも低減できますが、エグい効果が好みな場合はイマイチに感じるかもしれません。ハンダ作業ができる場合は、足をカットせずに基板から抜くことで元に戻しやすくなります。
なおブロックロゴとスクリプトロゴにはR28 以外にも異なる点があるため、この改造をしても完全にスクリプトロゴ化できる訳ではありません。
(改造後の基板)
またR28 Mod に加えて、基板上のC11 とC12 の キャパシタの片足をカットまたは抜くことで、よりスクリプトロゴに近づけることができます。
しかしエフェクトのかかりも一層うすくなるため、元に戻しやすいように足はカットではなく抜くことをお薦めします。
ちなみにR28 の有無をボタンで選べるようにしたのがEVH 版のPhase 90 です。またR はResistor (レジスタ=抵抗)の、C はCapacitor (キャパシタ)の頭文字です。
これらの作業で使う道具は、必須なのがプラスのドライバーとニッパー。ニッパーは弦のカット用でOKです。
またあると便利なのがハンダ道具一式と、フットスイッチや入出力端子の分解に使うソケットレンチ。
ソケットレンチがない場合はモンキーレンチやペンチ、もしくは頑張れば指でも回せます。
作業上の注意点としては、一部のロットはポットのシャフトが樹脂製のため、ノブを外す際に横方向の力を加え過ぎると折れる可能性があります。
また基板上のトリムポットは製造時にフィードバックを調節するためのもので、不用意に回すと発振しつづけるなど大惨事になります。触る場合は確実に元に戻せるように、あらかじめ標準位置に印をつけておくことを強くお薦めします。
そして改造とその結果は全て自己責任ということと、分解や改造によってメーカーの保証が受けられなくなることはお約束です。
今回のR28 / C11 / C12 Mod 以外にもPhase 90 の改造は多々あるので、興味の湧いた方は下の参考リンクへどうぞ。
参考
Erik's Corner - Pedal Mods
stinkfoot.se - MODIFYING THE MXR PHASE 90 (M-101)
DIYstompboxes.com - Phase 90 Block Logo to Script mods
ElectroSmash.com - MXR Phase 90 Analysis
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