ページ

2018/05/02

ギブソンが倒産。連邦倒産法第11章を申請、事業を継続しつつ再建を目指す


ギブソンが連邦倒産法第11章、通称チャプター11を申請しました。事実上の倒産です。

今後は同社の核となるギターおよびプロオーディオ事業を継続しつつ、再建を目指すとしています。


なおギブソンいわく、今後もGibson やEpiphone、KRK、Cerwin Vega の製品開発および販売は継続するとのこと。つまりこれらの製品は今後も引き続き購入可能です。

また同社の社長を務めるヘンリー・ジャスキヴィッツ氏は、ギブソンに残って再建に尽力すると述べています。

ここ数年のギブソンは、ヘンリー氏の「ミュージック・ライフスタイル・カンパニー」という目標に向けて、Philips のホームオーディオ部門やDAW ソフトのCakewalk、日本のTEAC / TASCAM を買収し、オンキヨーと業務提携するなど、積極的な拡大策をとっていました。

しかし今年に入り、買収した会社がことごとくうまくいっておらず、買収資金として借りた500億円以上の返済が滞っていることが判明。このままでは倒産するのではないかと囁かれていました。

そして今回のチャプター11の申請により、その噂が現実になってしまったというわけです。

1986年に、倒産まで数か月に迫っていたギブソンを買収して復活させたヘンリー氏。それから30年以上が経ち、今度は自らの手で破綻させてしまうこととなりました。

この苦境からどのように復活させるのか、今後の動向を見守りたいと思います。

追記:ギブソンの子会社であるティアックがニュースリリースを出しました。

ざっくりまとめると、ギブソンのチャプター11申請の影響はわずかであり、通常どおりの事業運営を継続するとのことです。

またギブソンはオンキヨーへも出資していましたが、これについては今年3月に保有するオンキヨー株のほぼすべてを売却しているため、影響はほぼ無いと思われます。

ソース:PR Newswire - Gibson Brands Reaches Restructuring Support Agreement to Reorganize Around Core Businesses
追記ソース:ティアック - 当社の親会社であるギブソン社の米国連邦倒産法第11章の申請について
オンキヨー - Gibson Brands, Inc.による当社株式売却に関するお知らせ
参考:Gibson Custom Shop

関連記事
フェンダーCEO「ギブソンの不振は業界の影響ではなく自ら招いたもの」「我々の業績は好調」

ギブソンがカスタムショップの人員を削減、ベテラン従業員を含む15人以上を解雇

豆知識:ギブソンが130ドルで売っているバンブルビー、中身は数十セントの量産品

音楽制作アプリのBandLab、ギブソンからCakewalk を取得

ギブソンがメンフィス工場を売却、規模を縮小して移転

マストドンのビル・ケリハー「ギブソンはアーティストをクソみたいに扱う。あの会社は終わってる」

フェンダーがオンラインカスタムオーダーサービスMod Shop を開始、ギターやベースを好みの仕様で注文可能

ブログの更新情報はTwitterFacebookでお知らせしています。

0 件のコメント:

コメントを投稿

関連コンテンツ